その6 【祇園】いかにも京都らしい風情の中で
京都らしい場所は?ときかれ、多くの人がまっ先に頭に思い浮かべるのは、やはり祇園の花街でしょうか。
白川の流れと桜(祇園)
しかし、祇園と言っても意外に広く、桜の季節の散歩におすすめなのは、円山公園に隣接する八坂神社前からまっすぐに伸びる四条通の北側の花見小路通から新橋通に入った辺り。
この辺り一帯は、「祇園新橋伝統的建造物群保存地区」に指定されており、石畳の道の両側に伝統的な「紅殻格子(べんがらごうし)」の家が建ち並びます。
白川の流れに架かる「巽橋(たつみばし)」の近くにまつられている「辰巳大明神」は、伎芸の上達にご利益があるとされ、舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)の信仰を集めています。
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満開の桜が夜風に花を散らせる
日が暮れ始め、白川沿いのお茶屋さんや宿屋さんに灯がともりはじめる時刻、満開の桜が夜風に花を散らせるのは、なんともいえない風情。夜桜を眺めながら、ゆったりと歩いてみましょう。
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■祇園新橋伝統的建造物群保存地区
住所:京都市東山区元吉町、末吉町周辺
アクセス・地図:祇園新橋伝統的建造物群保存地区(京都navi)
その7【高瀬川】歴史の流れにおもいを馳せながら
祇園から鴨川を渡った対岸には、木屋町通に沿うように、高瀬川という小さな川が流れています。この高瀬川の河畔にも桜が植えられ、春先は人々の目を楽しませています。高瀬川は、江戸時代のはじめに豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)が起工した全長10km余りの運河。京都の南の伏見で宇治川に合流して大阪につながり、大阪から京都へ様々な物資が運び込まれました。
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高瀬川沿いの夜桜
現在、二条の日本銀行京都支店の裏手には、高瀬舟に積まれた荷物の上げ下ろしを行った「高瀬川一之船入(いちのふないり)跡」が残っており、再現された高瀬舟が一艘、静かに水面に浮かんでいます。
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■高瀬川一之船入跡
住所:京都市中京区河原町通二条下る一之船入町
アクセス・地図:高瀬川一之船入(京都navi)
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