FRからFF化された新型BMW X1
FRベースからFFに変更された新型BMW X1。4WDも引き続きラインナップするが、先代X1の特徴だったロングノーズと、コンパクトなキャビンなどの特徴のあるフォルムからSUVらしい力強いデザインに変わるなど、コンセプトも大きく変わった。
エンジンは、FFの「sDrive18i」向けの直列3気筒の1.5Lターボ(136ps/220Nm)のほか、直列4気筒で2.0Lターボは出力が異なるタイプがあり、「xDrive20i」向けは192ps/280Nm、「xDrive25i」向けは231ps/350Nmとなっている。
また、モデル体系はベースグレードのほか、明るいベージュ内装が特徴の「xLine」、スポーティな「M Sport」を設定。
試乗したのはインテリジェント4輪駆動システムを謳う「xDrive20i xLine」で、2.0Lの直列4気筒ターボに8ATが組み合わされている。
乗り込むと印象的なのが、SUVらしく高いアイポイント(ヒップポイント)による見晴らしの良さで、先代X1はステーションワゴン的な低めの視界だったからその差はより大きく感じる。
前席で36mm、後席では64mmも着座位置が高められているそうだが、先述したように前席の先まで見通せる着座位置、後席も先代と比べるとかなり高い位置に座らせるだけあって、従来型のSUV感の少なかったキャビンとはかなり違う雰囲気だ。
SUVらしからぬ俊敏さが光る
さて、試乗場所の箱根ターンパイクは背の高いSUVには不利だが、BMWらしく旋回性能の高さはかなりある印象で、重心の高さは確かに感じさせながらも、かなりの速度域で連続するコーナーをクリアできるのは美点だろう。
なお、オンデマンド式のインテリジェント4WDは、通常走行時は前輪に駆動力が伝えられているが、ステアリングの切れ角やホイールの回転速度などを検知し、オーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知すると電子制御式多板クラッチにより前後輪にトルクが可変配分することで、ロードホールディングス性能を確保するというシステムを採用している。
また、動力性能は1660kgという車両重量に対して余力を感じさせるもので、「ドライビングパフォーマンスコントロール」の省燃費モードの「ECO PRO」でなければ、登り坂が続く山岳路でもストレスを感じさせないし、「スポーツ」に切り替えるとエンジン回転が高まり、力強いと表現できる加速を披露してくれる。
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