トヨタの稼ぎ頭・ノア3兄弟が「Toyota Safety Sense C」を設定
ノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟は国内市場におけるトヨタの稼ぎ頭になっている。3車種合わせた台数を調べてみたら、2015年で20万5554台も売れていた。ベストセラーのアクアが21万5525台なので肉薄しています。ちなみに統計上の2位のプリウスは12万7403台だから、いかにノア3兄弟が人気なのかを理解していただけることだろう。
もちろん同じミニバンのライバルである日産セレナやホンダ・ステップワゴンを圧倒している。しかしノア3兄弟は大きな弱点を持っていて、自動ブレーキを選べなかったのだ。自動ブレーキといえば、今や欲しい装備の筆頭に上げられるほど。逆に考えれば、最もニーズの高い安全装備を選べなくても絶好調だったワケです。
ただ、ディーラーによれば「自動ブレーキを待っているお客さんもけっこういます」とのこと。セレナやステップワゴンを選ぶ人も少なくなかったそうな。トヨタは自動ブレーキの開発が決定的に遅れてしまったのである。そんなノア3兄弟にやっと自動ブレーキが付けられるようになった。どんな性能の自動ブレーキなのか紹介したい。
「普及型」と「高性能型」、ノア3兄弟の新世代自動ブレーキは?
トヨタの新世代自動ブレーキは「普及型」と「高機能型」の2タイプが存在する。普及型は安価なライダー(赤外線レーザー)と単眼カメラを組み合わせたタイプで、性能より価格を重視したもの。トヨタの公表値によれば、停止している車両に対しての自動ブレーキ性能は30km/hまで自動停止。歩行者は認識が出来ない。高機能型になるとライダーより高い測距性能を持つ本格的なレーダーと単眼カメラを組み合わせたタイプとなり、自動ブレーキ性能は40km/hまで自動停止。夜間を除き30km/h以下であれば歩行者も認識して自動ブレーキをかけるというもの。その他、高機能型は渋滞時に楽ちんな先行車追従クルーズコントロール機能まで付く。
参考までに書いておくと、新型プリウスは高機能型。ヴィッツやアクアだとコスト重視の普及型になる。ノア3兄弟は当然ながら高機能型だと思っていたら、何と普及型でした。トヨタによれば「コストを下げることで皆さんに装備して頂きたいと思っています」。実際、ヴォクシーの場合、廉価な『X』以外、全てのグレードに標準装備される。
オプション設定となる『X』も5万4千円で手頃。加えて高機能型でも夜間は歩行者を認識しないし、追従クルーズコントールも使っていない人が少なくない。今までオプション設定すら無かったことを考えれば大きな進化だと思う。また、トヨタの公表値は「30km/hまで自動停止」だけれど、実際のテストだと40km/hで停止が出来てます。
こうなると厳しいのがライバルであるセレナとステップワゴン。セレナは2016年夏ごろにフルモデルチェンジし、ノア3兄弟より高機能の自動ブレーキと、高速道路などでハンドル操作も自動でやってくれる「半自動運転機能」を加えてくるらしいけれど、フルモデルチェンジして1年も経っていないステップワゴンは厳しい。今、買うならノア3兄弟です。
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