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金利20倍も!地方銀行ネット支店の高金利預金に変化

昨年12月に決定した日本銀行の質的・量的緩和の補完策により、長期金利は再び0.3%を割り込んでいます。長期金利の低下は住宅ローンなどの借入には朗報ですが、預貯金や個人向け国債などには強烈な向かい風となっています。向かい風を反映したわけではありませんが、高金利を提示していた地方銀行のインターネット支店に変化が現れています。詳しく見てみることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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長期金利は0.20%台で安定かも?

注目の高金利定期

注目の高金利定期

2016年に入ってからも続いている冬のボーナスキャンペーン(特別金利)は、もはや高金利と呼ぶことはできず、普通の金利に成り下がっています。2015年12月上旬に公表されていなかった住信SBIネット銀行の金利も、6カ月物、1年物の金利は0.20%に過ぎないのです。ソニー銀行の金利を横目に適用金利を決めていたのですが、もはや意識すらしなくなったのかもしれません。

高金利を提示することができないのは、超低金利が継続しているからですが、預貯金金利には大敵である日本銀行の補完策という援軍が現れたのが致命傷になりそうな雰囲気。長期金利はかろうじて踏ん張っていた0.3%という水準をあっさり突き破り、再び0.20%台へ下がってしまったのです。

前回0.20%台に低下したのは短い期間でしたが、今回は長期化の様相を呈しています。補完策によって日本銀行が買い入れる国債の残存年数を長めにしたうえ、国も税収が増えたことにより国債の発行額を圧縮する状況になったのです。国債の需給はタイトになると考えられるために、長期金利の0.20%台の超低位安定は長引きそうというわけです。

2016年に入ってから住宅ローンは優遇金利を引き下げ、動くことがほとんどなかった変動金利の金利は大手でも0.6%台に低下しているのです。定期預金金利は年明け早々には引き下げられていませんが、高金利を誇っていた地方銀行のインターネット支店に動きが出たことを見逃すわけにはいきません。

1年物定期0.4%も高嶺の花になる……

地方銀行のインターネット支店の1年物定期預金の金利は0.40%というのがトップ水準です。○○周年記念等で若干の金利上乗せがあるケースがありますが、それを除けは0.40%というのが通常の高金利と言える状況が続いているのです。

0.40%を提供していた銀行は、荘内銀行わたしの支店「わたしの支店専用定期」、トマト銀行ももたろう支店「スペシャルきびだんご定期預金」、香川銀行セルフうどん支店「超金利トッピング定期預金」、愛媛銀行四国八十八カ所支店「100万円限定だんだん定期預金」、鳥取銀行とっとり砂丘大山支店「大山定期」でした。

大山定期は1口の預入金額は500万円で預入限度額なし、わたしの支店は1口100万円以上で1億円まで預入可能という違いがあるほかは、全て1口100万円までという預入制限がある状況だったのです。この0.40%五兄弟の内、荘内銀行わたしの支店が脱落して0.35%に適用金利を下げてしまったのです。

五兄弟が四兄弟になったと思いきや、高知銀行よさこいおきゃく支店「よさこいおきゃく定期」が0.40%の仲間入りを果たし五兄弟は維持されたのです。ちなみによさこいおきゃく定期も1口100万円までですから、100万円を超える金額を1銀行に預けるには鳥取銀行とっとり砂丘大山支店「大山定期」しか無くなったということになるのです。しかも最低預入金額が500万円と高額なため100万円超500万円未満の金額では2つ以上の銀行を使う必要が出てきたしまったのです。

メンバーが1人変わったとは言え、五兄弟が守られたのは朗報でしょうが、冒頭に述べたように長期金利が0.20%台で超低位安定してしまうと荘内銀行私の支店「わたしの支店専用定期預金」に追随する銀行が現れないとも限りません。2016年1年物定期預金の金利は、0.40%でさえ高嶺の花となる可能性があるということを肝に銘じておくべきでしょう。

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