介護を理由として慣れた仕事を辞め、本人はもちろん、貴重な人材を失うことになった企業もツライ状況に追い込まれるケースがあとを絶ちません。こうした介護離職を防ぐため、働く側としてはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

データで見る、介護離職の実態

介護についてのさまざまな情報は、あなた自身と家族を守る、大切な武器となります

介護についてのさまざまな情報は、あなた自身と家族を守る、大切な武器となります

2014年9月、株式会社明治安田生活福祉研究所と公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団が合同で行った「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査を見ると、さまざまな実態がわかります。

まずは離職までの期間の短さ。5割以上の人が、親が介護状態になってから1年以内にそれまでの職場を離れ、介護に専念するか、別の職場への転職を行っています。

転職した場合も、収入ダウンは深刻です。介護のために転職した人のうち、転職先でも正社員として働いている人は、男性で3人に1人、女性で5人に1人。 平均年収は男性が約40%、女性は約50%も下がっています。

企業が用意した制度などを使いこなしているかどうかも大きなポイントです。同じ企業にいながら働き続けた人の約75%が、「半日や1日単位の有給制度」「介護休暇」「労働時間や日数の短縮」といったさまざまな制度を活用していたのに比べ、介護に専念すると判断した人の約65%が、「何の制度も使っていない」と答えています。

まずは介護についての情報を集めよう

介護と仕事を両立させるための第一歩は、介護についてのさまざまな情報を集めることです。

介護にまつわるさまざまな苦労の多くは、「知らないこと」が原因。有益な情報は大切な家族や自分自身を守るための武器であり、盾にもなるのです。

次のようなテーマごとに、賢く情報を集めていきましょう。情報の主な入手先も、併せてご紹介します。

1.介護保険の制度やサービスについて
介護を行ううえで基本となるのが、さまざまな介護保険サービス。制度の概要や、個々のサービスについての情報を集めましょう。

■主な情報入手先
  • 介護サービス情報公表サイト……厚生労働省が運営する、都道府県単位の介護事業所情報が網羅されているサイト。暮らしている地域でどんなサービスが受けられるのか、どんな事業者があるのかが調べられる。
  • 市区町村などのサイト、窓口
  • 地域包括支援センター
  • 親ケア.com……ガイドが運営する介護情報サイト。介護保険制度はもちろん、介護の心構え、介護早わかりフロー、介護体験談など、1,300ページ以上のコンテンツがある。
  • おやろぐ 介護費用かんたんシミュレーション……ガイドが運営する介護家族向けサービス。どの介護保険サービスを、どの程度利用すると、月々の自己負担額がいくらぐらいになるのかを簡単に調べることができる。

2.介護休業などの制度について
法律で定められている制度については、All About「介護」の各記事でご紹介しています。また、会社などで独自の制度がある場合も多いので、職場の人事部門にも尋ねてみましょう。

■主な情報入手先

3.成年後見制度について
認知症などでお金や資産の管理、契約などが困難になった場合に備えて「成年後見制度」についての情報を集めておきましょう。契約の代行はできないものの、社会福祉協議会が通帳やお金の管理をしてくれる「日常生活自立支援事業」についても知っておくと選択肢が広がります。

■主な情報入手先
  • 法務省「成年後見制度~成年後見登記制度~」……法務省による成年後見制度についての解説ページ。正確で詳しい情報を知りたい人向け。
  • あなたの後見人……成年後見制度の利用をサポートする一般社団法人あなたの後見人が運営するサイト。制度の概要や利用の際のポイントなどがわかりやすくまとまっている。
  • 日常生活自立支援事業……ガイドが書いたAll Aboutの別記事。制度の概要や利用法などがわかる。

4.介護施設・老人ホームなどについて
在宅介護が難しい場合は、施設や老人ホームの利用を考えることになります。多種多様な施設や老人ホームがあるので、どんな選択肢があるのかよく調べておきましょう。

■主な情報入手先

5.自治体独自の制度やボランティアについて
自宅までお弁当を届けてくれる「配食サービス」や、何かあった際に要介護者が助けを呼びやすくする「緊急通報サービス」など、各地域でさまざまなサービスが提供されています。暮らしている地域によってサービスの内容や利用条件などが大きく異なるので、地域の窓口などで情報を集めましょう。

■主な情報入手先

集めた情報をもとに、制度やサービスを賢く利用しよう

必要な情報を集めたら、今度は賢く利用することを考えましょう。

介護保険制度を利用することは当然として、介護休業などの制度も会社に遠慮せずにしっかりと使うことが大切です。「今、仕事に穴を空けると迷惑がかかる」と考えて頑張りすぎてしまうと、すぐに疲れ果てて介護離職することになったり、自らの心身が病んでしまうなどということも。そうなると結果的に、会社にも自分の家族にも余計に大きな迷惑をかけることになってしまいます。

日々の介護をスムーズに行ううえでは、地域包括支援センターやケアマネジャーとよく相談することも重要。ひとりで抱え込むのではなく、少しでも自分の負担を減らし、持続可能な介護をめざしてください。




【編集部おすすめの購入サイト】

楽天市場で介護用品を見る

Amazonで介護用品を見る

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項