ロボット掃除機・お掃除ロボット

2015年ロボット掃除機はマッピングの時代に!(2ページ目)

いよいよ待望のdysonからロボット掃除機が発売になりました。なんと同時期に、王者ルンバも新シリーズを発売。さらに米国ネイト社からも新モデルが登場。奇しくも3社の共通点が、SLAMというマッピングシステムを搭載しているところ。そんな3社の違いをレポートします!

執筆者:戸井田 園子

 

iRobot ルンバ980
~ 長い経験で培われた実力にマッピング搭載で完成度アップ!

ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

見た目には大きな変化が感じられない新型ルンバですが、かなり賢くなっています

今まで「ランダムタイプ」の代表格だったルンバが、マッピングをしながらジクザグ動くタイプへ方針変更したことは、国内メーカーがルンバをお手本にし、軒並みランダム走行を採用していたので、業界では大きなニュースになりました。今まで培ってきた経験は、新しいシステムにどのように生かされているのでしょうか?
 

端から順にくまなく攻めて効率アップ!

ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

端から塗りつぶすようにキチンと動く行動パターンに変化した、新型ルンバ(※メーカー製品サイトより)

ルンバは、独自の人工知能「iAdapt」に、「SLAM」と「カメラ」を加えることで、より正確に自分の位置を認識し、マッピングしながら行動するタイプへと進化しました。マッピングすることで、複数の部屋を効率よく、かつくまなく掃除をできるレベルに進化したとのこと。スタート地点から雑巾掛けのようにジグザグに往復して、端から順番に塗りつぶしていくように動きます。出入り口のドアが開いていればそのまま廊下に出て、とにかく行けるとこまで進み、障害物にぶつかると折り返してくるというパターンを繰り返します。部屋の途中で廊下に出ていったとしても、空間を把握しているので最終的に行かなかったところに戻り、くまなく塗りつぶしていくように動きます。
 
ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

本体上部に搭載されたカメラですが、猫が乗ってふさがれてしまっても大丈夫とのこと

発表会ではカメラ部分に猫のぬいぐるみを乗せても問題なく稼働できることをPR。カメラから得る情報は重要な要素だけれど、決してカメラにだけ頼っているのではなく、従来から搭載しているバンパーの衝撃センサーや赤外線センサーはじめ、複数のセンサーから得られる情報も含めて、動きをコントロールしていることを強調していました。どんな状況でも対応できる人口知能の高さは、長い間培ってきた実績と自信を感じます。
 
ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

本体幅さえあれば、ギリギリでもためらいなくどんどん進んでいきます

動き方の基本は変わりましたが、障害物への対応は今まで通り、家具や壁にはぶつかります。しかし、かなーーり減速してコツン程度のあたり方なのでガイドは気になりませんでした。逆に、実際にぶつかりパンパーの衝撃センサーが行き止まりだと感知するまで前進していく方が、布やカーテンなど視界を塞ぐものがあってもその先に空間がないか否かを正確に確認でき、結果的にカバー率を上げていると感じます。また、一度入れなかった空間にもいろんな方向で何度かトライするしつこさも健在。しかし、掃除が終わると迷いなく最短経路で充電台に戻ってくる様子はを見ると、確かに賢くなったと実感できました。
 

連続稼働時間は約120分で112畳(185平米)までとのこと。かなりの広さをカバーできますが、日本の住宅においては過剰スペックとも言えます。しかし、マンションのようにワンフロアの住宅なら、一度で全ての部屋の掃除ができるのはやはり便利。念入りに掃除をするモードにしても、90平米くらいの住宅を一度の稼働でカバーできるのは、強みと言えるでしょう。


 

毛がないロールブラシで手入れの手間が激減!

ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

独自の「AeroForce」で細かいホコリもすっきり吸い込む

吸引力についても、特殊なローラーが特徴的な独自のクリーニングシステム「AeroForce」がさらに進化しています。ゴムのような素材のロールは、スパチュラのように細かなホコリを上手に掻き込むため、フローリングのザラつきもしっかり無くなります。ローラー仕様で毛ブラシがないため、髪の毛や糸くずが絡まることがほとんどありません。ブラシのお手入れはそこそこ面倒なので、これは大きなメリットです。
 
ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

約16畳を30分走行して集めたホコリの量、ダストカップを取り外す時にはやや注意が必要、フィルターも含めてお手入れしてしまうのが得策

画像はLD約16畳の掃除をした後の状態です。ダストカップも大きく一回の稼働分のホコリをしっかり貯めてくれます。しかし、ダストカップを横に引き出す際に中のホコリがこぼれてしまうことも・・・。また、定期的なフィルター掃除も必要ですので、ゴミ捨ての際は新聞紙などを敷くことをおすすめします。
 

充電台に戻るには、垂直方向に空きスペースを!

ロボット掃除機2015・ダイソン・ルンバ・ネイト

充電台に対して真正面に構えないと帰還できないので、充電台までの引き(青い矢印部分)はしっかり確保してあげましょう

本体寸法は353mmあるので、充電台に確実に戻るために必要な空きスペースも含めると、スペースの確保はそれなりに必要になります。充電台に対して、左右は本体幅より少し広ければ難なく帰還できるのですが、縦方向(垂直方向)は余裕がないと充電台に上手く戻れないことがあります。長年ルンバを使っているガイドですが、今回いつもと違い、充電台まで70cmくらいしか空き寸法がない所に置いたところ、何度もトライはするものの、充電台の真正面に移動することができず、四苦八苦している様子を初めてみました。一度稼働させてみて置き場所を決めるのが良いようですね。
 


 

総合的な掃除力の高さはさすが!王者の品質は健在

今までの吸引力・判断力に加え、さらに効率よく動くなったことで、ますます完成度が高まったルンバ。今まで縦横無尽に動いていたルンバがお行儀よく動くのを見ると、少々違和感を感じますが(笑)、椅子の足回りや狭い部分にも諦めないでとことん行くしつこさなどは今まで通り!さらに、カーペットになると吸引パワーをアップさせたり、ホコリが多いところは立ち止まり細かく往復するなど、対応力の高さには感心します。結果的に本体が入り込めない空間以外はキチンと掃除をしてくれる、高い掃除力があると改めて実感しました。ロボット掃除機の代名詞であるルンバは長い経験があり、掃除を任せられる完成度の高さと安心感はさすがです!!

やや残念に感じているのは、スマホと連携し遠隔操作やスケジュール設定が簡単にできるようになったものの、今まで本体ですることができた予約ができなくなったこと。ロボット掃除機はシニアにぜひ使ってもらいたいアイテムでもあるので、本体でも同様の操作ができる方が親切だったのに・・・と思います。また、カメラを搭載したため、持ち手やスイッチが中央にバランス良く配されていた従来モデルに比べると、円形デザインの良さがなくなったかな・・・と感じます。

以上の通り完成度の高い980ですが、一部屋だけを掃除するという使い方であれば機能はフルに発揮されないので、800シリーズでも十分でしょう。ルンバはシリーズ展開も多いので、それぞれの家庭での使い方をよく見極めて、予算にあったモデルを選ぶことをおすすめします!

参考:メーカー製品サイト
参考記事:ルンバ800シリーズのお試しレビュー
 

 次は、ネイト社のBotovacです>>

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