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お笑いに順位をつけることは本当におかしいのか?(2ページ目)

先日「THE MANZAI 2015」の番宣コメントで、MCのビートたけしが発した一言「お笑いに順位をつけるのはおかしいと思う」が波紋を呼んでいます。果たして、殿の真意はどこに? 本当にコンテストの意義はないのでしょうか?

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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コンテストにメリットはないのか?

確かに、漫才に限らず様々なコンテストを見ていて「審査員ナニやってんだ!」と思うことはあります。ただのヤジ馬でもそうなのだから、参加者にとっての意に反した評価は、軽く殺意を覚えるくらいのインパクトがあるのかもしれません。

ただ、弊害ばかりで一つも意義を見出せないのかというと、それも違うと思います。「M-1」などのコンテストで、優勝やそれに準じる活躍を見せたことで世間の注目を集め、そこから第一線に躍り出た芸人は決して少なくありません。

「それって普通のネタ番組でも可能では?」という声もあるでしょう。確かにレギュラーのネタ番組がいくつも放送されていた頃には、そこで顔を覚えられてブレイクした芸人もいました。しかし「お笑い冬の時代」とも言われる昨今、無名の芸人が注目を集める機会がごく限られているのも、残念ながら事実です。

観客にとって笑いのお墨付きは必要!!

何より大事なことは、お笑いの観客は「面白いとお墨付きの芸人」の方が安心して笑える傾向にあるってことです(個人的には「笑いのプラシーボ効果」と呼んでおります)。見知らぬ若手がどれだけ面白い芸を見せても、笑いに結びつきにくいんですね。

そんな観客に「この芸人は面白い」と認識させるためには、有名な大会で優勝したり、笑いのトップに君臨する芸人から高評価を獲得する必要が生じてきます。つまり、コントや漫才、ピン芸のコンテストには、面白い芸人を観客が認識する場という、ちょっと複雑な役割が存在しているのです。

こうしてプラスとマイナスの要因を挙げてみると、芸人にとっては残酷なことですが、お笑いに順位を付ける必要性は高いように思います。ただし、先日の「M-1」のように、出場者の条件をデビュー10年から15年に引き伸ばし、審査員を一挙に若返らせたことで、仲間内で評価しているように誤解もされました。次回は発言に重みのある審査員をお願いしたいものです。
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