新発売の「Windows 10 Mobile搭載スマホ」とは

「WindowsってPCのことじゃないの?え、スマホなの?」と意外に感じたのは私だけではないでしょう。マイクロソフトが出すスマホならばきっとOffice機能などがあって仕事に使いやすいものかなと予想されます。逆に直感的な操作は不得手なんじゃないかと思ってしまいます(先入観ですが)。実際のところ、このWindows 10 Mobile搭載スマホはどのようなものなのでしょうか? 実際に1週間使ってみて、その使用感や可能性をレポートしてみたいと思います。

初めまして、Windows 10 Mobile

まずはホーム画面をチェックしてみると、そこにはアイコンがタイルのように敷き詰められています。これはPC版Windows10と共通の形式です。OutlookやWord、ExcelなどのOfficeアプリが標準搭載されているのを見て「さすがWindowsだな」と、改めて他のOSとの違いを感じます。スタート画面にどのタイルは置くかは自由に選択できます。使用頻度によってタイルの大きさを変え、使いやすい画面にカスタマイズできるようです。
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       メールや連絡先、地図なども貼り付けられる


標準搭載されているXboxアプリでは、ストアのゲームをプレイしたり管理したりできます。楽曲をダウンロードしたり、クラウド上に保存した音楽のストリーミング再生などができる「Grooveミュージック」も標準搭載されていました。

デバイス画面下には「戻る」「スタート」「検索」の3つが用意されています。何気なく真ん中のwindowsマークのスタートボタンを長押してみると、画面が上下に分割されるではありませんか。「これは何だ?」と思っていると、どうやら楽に片手操作をするための機能のようです。端末は大きくなるほどに片手操作が大変になるので「なるほど」と納得です。
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    上下に分割して片手操作も楽にできる


タッチのレスポンスや全体的な操作性については特にストレスを感じることはありませんでした。

とりあえずネットサーフィンでもしてみる

だいたいの操作の仕方を理解したところで、次はネットを楽しんでみたいと思います。標準装備のブラウザは「Microsoft Edge」。こちらはWindows 10とともにリリースされた新しいWebブラウザです。基本的な操作やメニューはPC版と共通化されているので、PCで慣れている人にとっては使いやすいでしょう。PC版とお気に入りやリーディングリストも共有されるので、よく見るページをいちいちモバイル版で再登録する必要もないようです。
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リーディングリストに保存でいつでも快適ブラウジング

ただ、Microsoft Edgeの最も大きな特徴である、Webページに手書きメモを追加できる「Webノート」機能はモバイルでは使用できないようです。この機能はプレゼンテーションや会議などで便利なので、モバイルをPCのように使える可能性のあるWindows 10 Mobile搭載スマホとしては今後追加してほしいところです。
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ブラウザ画面に直接書き込めるMicrosoft Edge(PC版)


アプリを使ってみる

お次はYouTubeやLINEなど、普段使用しているアプリをどんどんダウンロードしてみます。FacebookやSkypeアプリは標準搭載されていますが、それ以外は「ストア」というアイコンからダウンロードします。LINEやTwitter、InstagramといったSNS系アプリや、乗り換えNAVITIMEや食べログ、じゃらんといった生活系のアプリを入れていきます。他にも仕事に使えそうなPDF Reader、Dropbox、Evernoteなどもありました。有名どころのアプリはほぼ網羅していると言えそうです。

ただ、ガイドが愛用しているHuluのアプリはダウンロードできませんでした。PC版のアプリはあるのですがモバイル版はまだ提供されていないようです。しかし、マイクロソフト社製のアプリもどんどんリリースされていくようなので、既存のアプリも含め、ラインナップは今後ますます充実していくと思われます。
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   今後のアプリ拡充に期待


Facebookにログインした後、標準搭載のカレンダーを見たところ、Facebookのイベントやスケジュールが自動的に同期されているではありませんか! スケジュールの一本化はうれしい機能です。着々と端末がオリジナルなものになっていっています。

ちなみにSiriのように音声認識機能でアプリが起動できるかと試してみたところ、できる場合とできない場合がありました。できる場合も1回Web検索ページに飛んで、そこから別操作でボタンを押さないと起動できないので二度手間だなと感じました。

Officeアプリを使ってみる

Windows 10 Mobile搭載スマホの最大の目玉と言ってもいいOfficeを使ってみます。Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteが標準搭載されています。モバイル版なので、PC版とはボタンの配置などは違いますが、基本的な機能は同じであり、機能的にPC版の簡易版ということでもなさそうです。
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  表示形式は異なるが通常のOfficeと同等の機能

重要なのは作成したファイルをPCと同期できるということであり、そこで登場するのが「OneDrive」というオンラインストレージサービスです。既存の類似サービスとしてはDropboxやGoogleドライブが挙げられます。OneDriveに手持ちのMicrosoftアカウントでログインし、そこに作成したファイルを保存します。果たして無事ほかのデバイスでもこのファイルを開くことはできるでしょうか?

モバイルで作成し、One Driveに保存したWordファイルを、PC上で開いてみます。すると、そこには作成したファイルが保存されているではありませんか! 面倒な同期作業や通信プロセスはありません。既存のDropboxやGoogleドライブでは必要な互換アプリをダウンロードせずとも、Officeファイルをそのまま使用できるのが、やはりWindows 10 Mobile搭載スマホの強みであると実感します。

今度はPC上でそのファイルに編集を加えてみます。そしてそのまま上書き保存すれば、モバイル上のファイルも更新されています。iPhoneやAndroidでも、PCで作成したOfficeファイルをチェックすることはできましたが、Windows 10 Mobile搭載スマホなら、PC ⇔ モバイルで編集作業を交互にすることが容易になるということです。これまでは外出先で作成したメモを、帰宅後にWordなりExcelなりに書き換える作業が必要でしたが、これなら外出先で作成したファイルをそのまま最後まで使えますね。 

Windows 10 Mobile搭載スマホだけで仕事をしてみる

モバイルとPCの同期のしやすさについて述べましたが、それだけではPCありきのWindows 10 Mobile搭載スマホ、ということになってしまいます。そのポテンシャルをより追求するため、ライターとしても活動しているガイドがモバイルだけで仕事ができるかどうか試してみたいと思います。

まず、この記事を仕上げるため、ExcelでWindows 10 Mobileを搭載する端末のスペック比較表を作成してみます。端末メーカー各社のサイトをMicrosft Edgeで検索し、端末のスペックを調べていきます。

そうこうしてると他の原稿の打ち合わせの電話がかかってきました。電話の内容は通話しながらPCでWordにメモして「打ち合わせ案」と題してOneDriveに保存しておきます。このファイルをそのまま原稿ファイルにすることにします。しばらくして、先ほどの打ち合わせ内容への補足メールが送られてきたのでスマホのOutlookを開きます。こちらの内容も先ほど作製したWordファイルにコピペして上書き保存します。

表の作成に戻り、調べたスペックをExcelに打ち込んで、枠線を加えたり文字サイズを変えるなどの作業を施していきます。端末の外観写真もスマホカメラで撮って表に挿入します。出来上がったファイルはもちろんOneDriveに保存します。

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別売りのWindows 10 Mobile対応のマウスとキーボードを取り付けて作業を進める


端末を大型ディスプレイに接続して使用することもできるので、そうなれば普通のPCとなんら違いはないのではないかと思います。

ふと思ったのが、出張先などで使えるというのはもちろんのこと、手持ちのPCが壊れてしまったときのスペアとしても使えるのではないかということです。前述のOneDriveにデータを保存しておけばデータの移し替え作業も必要ありません。集中して作業をしてもバッテリの持ちが良いので電池切れのストレスもあまり感じずに済みそうです。

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今回使用した3機種の資料をモバイルだけで作ってみた


Windows 10という総合体験

これまで、パソコンやスマホ、タブレットやゲーム機など、様々なデジタルデバイスが氾濫し、それぞれが異なる環境で動作しているという状況がありました。マイクロソフトが2015年7月にリリースしたWindows 10には、異なるデバイスで同じプラットホームを利用できる環境を実現するという狙いがあります。そしてWindows 10 Mobile搭載スマホは、Windows 10と同一のプラットホームを採用しています。つまり、モバイルという枠組みにとらわれることなく、いつでもどこでもWindows 10という総合的な体験ができるというのが最大のテーマと言えます。ポイントは大きく2つにまとめることができます。
  • 「統一されたユーザー利用環境」
プラットホームの共通化により、メニュー構成や基本的な操作方法が統一されています。例えば普段PCで利用しているアプリをそのままスマホでも使えます。また、PCのスタート画面も同じくタイル形式で、モバイルと同じように使うことができます。この先、OSがアップデートされるときもPC、モバイル両方の連携が念頭に置かれたアップデートになることは想像に難くありません。
  • 「データの同期、共有が簡単に」
Microsoftアカウントを設定し、オンラインストレージサービス「OneDrive」を利用することで、PCからのデータもスマホからのデータを一括管理することができます。この恩恵を特に感じることができるのが写真の保存です。これまでスマホで撮ったものとデジカメで撮ったものが別々の場所に保存されているという状況でしたが、同じ場所に保存できればそれに越したことはありません。ちなみに、先ほどモバイルで編集したカレンダースケジュールは自動的にPC上のカレンダーでも更新されていました。モバイルとPCが連動、同期するというのは手間が省けて楽なものです。
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PCとの連携が非常にスムーズなのを感じる

1週間使ってみた感想

最初に思っていた「仕事に使いやすいのでは?」という予想はその通りだったと言えます。逆に「直感的な操作がしにくいのでは?」という予想ですが、タッチやレスポンス的な面では問題ないのですが、音声認識機能とアプリの連動(音声でアプリを起動させる動作)がイマイチなのが気にかかりました。今後このあたりが改善されていくことが期待されます。

また、以上を見ていくと、ビジネスマンが持つデバイスとしてたいへん優秀だと感じました。つまり、スマホを「遊びの道具」と考えている層が欲しがるデバイスではないかもしれない、と言うことです。今後いかに遊び心を出していくかがWindows 10 Mobile搭載スマホのテーマと言えるでしょう。

自分自身の経験でいうと、これまでのモバイル選びにおいてOSを意識することはあまりありませんでした。操作性などで表面的な違いを感じ取ることはできても、決定的な違いを感じることがなかったからです。今回Windows 10 Mobile搭載スマホを使ってみて、OSを他のデバイスと連動、同期させることで初めてその存在を明確に意識できることに気づきました。モバイル選びでモバイルのことだけを考える時代は終わったのかもしれません。もちろんWindows以外のOSも今後、PC、モバイル、タブレット等のあらゆるデバイスを連動させていくことが予想されます。そしてそうした局面だからこそ、PCのOSでシェアNO.1であるWindowsは強みを発揮していくことと思います。Windows 10(PC版)が進化していけば、それにつれてWindows 10 Mobileの方もどんどん進化し、新しい機能が増えたり使い勝手が良くなったりしていくということです。今後どのような進化が待っているのか、非常に楽しみです。

iPhone・Androidに続く第3の選択肢としてWindows 10 Mobile搭載スマホを考慮する必要性は十分にあると言えるでしょう。

今回使用したWindows 10 Mobile搭載機種

FREETEL KATANA 01
ポケットに入れて携帯したい人にはイチ押しのサイズ感。
FREETELundefinedKATANA 01

FREETEL KATANA 01











EveryPhone
画面サイズは今回試した機種の中では最大で、作業も快適。
EveryPhone

EveryPhone











MADOSMA Q501A
外部メモリは最大64GB対応で、データを大量に保存したい人におすすめ。 
MADSMA

MADSMA Q501A











取材協力:日本マイクロソフト株式会社

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。