Z800の動きは固めの印象だがエンジンは扱いやすい
固めのシート、前傾のきついハンドル、プリロードがかけられて硬いセッティングのリアサスペンションなど、街中で走るには全体的に動きが硬い印象があります。プリロードがかけられたリアサスペンションは乗車してもほとんど縮みません。このバイクは輸出向けのセッティングが施されているため、海外の体格の良い人が乗車するセッティングになっているのかもしれません。
日本人が街中走行やツーリング、ちょっとした山道走行で乗るのであれば購入したショップのスタッフにお願いしてリアサスペンションのプリロードセッティングと減衰力のセッティングを変えた方が扱いやすいでしょう。
ブレーキはフロントに対向4ポッドブレーキを採用しており、ブレーキパッドには焼結材を採用しています。一般的なブレーキパッドに比べて耐摩耗性や効きの安定感があるとされていますが、実際に操作してみるとパワフルなブレーキシステムなのに非常に扱いやすくギクシャクする感覚は一切ありません。
そして特質すべきは非常に扱いやすいエンジン特性。113PS/10200rpmという凶暴な出力を高回転で生み出す水冷4気筒エンジンは街中で実用的な低回転から中回転域では過不足なくスムーズに加速します。エンジン音はカワサキらしい重低音の効いたサウンドですが、街中の実用域では非常に静かでストレスが溜まりません。
その反面、アクセルを捻らせて高回転域まで回せば、体が後ろに引っ張られるような加速と「キューーン」という飛行機が離陸する際の加速音に似た吸気音がいやが上にも、テンションを高めます。
Z800は全体的にスポーツセッティングだか街中走行も許容できる
Z800のセッティングはスポーツも街中もどっちもいけるものを意識したわけではなく、スポーツ重視のセッティングが施されているといえます。固めのシートやサスペンションは街中では硬めに感じますが、スポーツ走行時には調度良いと感じるかもしれません。私が試乗したバイクの中でZ800はオフロードバイク以外では、かなりシートの高いバイクです。シート高はネガティブな要素としてとらえられがちですが、視点が高いことによって視界が広がり危険予測がしやすくなるメリットもあります。また、メーターの視認性が良かったり、低・中回転域では扱いやすいエンジンも街中での扱いやすさにつながっています。
実際に通勤で一週間使ってみたところ、シート高による足つき性の悪さなど前半は若干気になることもありましたが、慣れてしまえばネガティブな要素より視認性の良さの方が上回りました。
王道的なネイキッドバイクに比べると汎用性という意味では弱いといえますが、ネイキッドのバイクをさらにスポーティーにカスタムするユーザーも多く存在します。よりスポーティーなスポーツネイキッドが欲しいなら改造することなくZ800が理想の一台といえるでしょう。
Z800 関連リンク
■Z800のエンジン音・マフラー音・各部詳細はこちらの動画でどうぞ
■ライバル スズキの750cc ネイキッド GSR750試乗レポート
■ライバル ヤマハのストリートファイター MT-09試乗レポート
Z800 ちょこっとカスタムするなら
Z800はシートが固め!ロングツーリングに行くならお尻の痛みとの戦いになるでしょう。痛み対策は必須です!Z800はヘルメットロックが装備されていません。比較的安価で販売されているので装着した方が出先で困りません。
シートの高さになれないうちは立ちゴケの可能性も。少しでもダメージを減らすためにエンジンガードもおすすめ!