発売直後から圧倒的な販売台数となったMT-09

mt-09フロントビュー

ヤマハMT-09のフロントビュー

2014年2月に発売を開始したヤマハMT-09。発売から間もなく年間の販売計画を1500台から4000台に上方修正しました。私の友人は6月にMT-09を購入しようとバイクショップに行ったところ、納車できたのは9月の半ばだったようです。広報車も大人気でヤマハさんからお借りするのに思ったよりも時間がかかってしまいました。

ヤマハらしいスタンダードなスポーツバイク。ヤマハはMT-09の開発にスタンダードバイクというコンセプトを与えました。週末のスポーツライディングや休日のロングツーリングだけでなく、通勤や通学など日常の足としても気軽に使えるバイクの姿。このコンセプトを実現するために、ヤマハは新設計の水冷4ストローク3気筒DOHC4バルブエンジンを開発しました。

海外のバイクではしばしば搭載される3気筒エンジンですが、国内では実に久しぶりの3気筒エンジン搭載マシンの登場となりました。3気筒というだけでも大注目ですがアクセルレスポンスを変更するD-MODE、そして圧倒的な軽量ボディとヤマハらしい装備を纏った形でMT-09は誕生しました。

MT-09の購入を検討している方にとっては兄弟車両のMT-07も気になるところ。先にMT-07は試乗していますのでMT-07との違いも交えながら一週間通勤で使用したインプレッションをお届けします。
 

MT-09の走行モードは街乗りならBモードがおすすめ

MT-09サイドビュー

ヤマハMT-09のサイドビュー

MT-09の機能で注目されているのがD-MODE。アクセルのレスポンスをコントロールするこのモードは走るシチュエーションによって切り替えることで、最適なアクセルレスポンスを得ることが出来ます。私のように平日の都内を通勤で使用する場合はもっとも穏やかで扱いやすい出力特性のBモード以外はレスポンスが鋭すぎて走りづらく感じました。

もっとも穏やかなBモードはエンジンオンした時にデフォルトの設定となっており、BモードよりはシャープなSTDモード、そして最もシャープでダイレクトな走行フィーリングを楽しむことが出来るAモードの3つのモードを楽しむことが出来ます。

ヤマハのMT-09の紹介ページを見ると「STDモードは様々な走行条件に適したモード」とあるのですが、総排気量846cc 110ps/9000rpmを出力するエンジンと188kgという超軽量ボディのため、STDモードでも充分にシャープなレスポンスです。週末のスポーツライディング時にもSTDモードで充分だと感じました。

モード選択はハンドルの右側にあるスイッチで選択することが出来るのですが初めてMT-09に乗ったのが夜だったのもありモードボタンに気がつきませんでした。全体的にスイッチ類が小さいのもMT-09の特徴であると言えます。
 

MT-09はパワーがありすぎる感じも……

MT-09リアビュー

ヤマハMT-09のリアビュー

日本人は比較的「大は少を兼ねる」という考え方が好きだな、と感じることが多々あります。その一つが排気量。街中の走行や山道、サーキットなどを走行する際には600cc前後の車両がちょうど良いと思いますが、同じコンセプトの600ccの車両と1000ccの車両だと排気量の大きい1000ccの車両に人気が集まる傾向があります。

確かに乗り手の扱い方次第で排気量が大きい方が扱いやすい可能性はありますが、排気量を上げてパワーを搾り出せばエンジン自体の発熱量は増加し、燃費は悪くなります。またほとんどの人はパワーをもて余すことでしょう。

MT-07が「ちょうど良い」と感じるバイクなのに対して、MT-09はパワーを追加することで、ある程度の快適性を捨てているような印象も受けました。そんな印象を受けるひとつが、エンジンの発熱量です。MT-07に比べてMT-09はエンジンの発熱量が大きく、走行している足のくるぶし辺りが熱く感じることが多々ありました。

また燃費もMT-07に比べると悪く、MT-09のタンク容量が14L。MT-07のタンク容量が13Lと1Lの差しかないため、MT-09は給油のタイミングが早く、ガソリンもハイオク指定なのでガソリン代が割高になってしまいます。

私が街中で試乗した際のMT-09の燃費は18km/Lでした。ツーリングなどでは燃費は大きく変わってくると思いますが、街中で使うことが多い人は200kmが給油タイミングのひとつの指標でしょう。
 

扱いやすさもMT-09でなく、圧倒的にMT-07に軍配が上がる

MT-09フロントビュー

ヤマハMT-09のフロントビュー

MT-07もMT-09も圧倒的な車体重量の軽さとモタードバイクのマスフォワード、マスの集中化、重いものを出来るだけ前に、できるだけ集中して配置するという技術のフィードバックを受けて開発されています。運転中もオフロードバイクのようにヒラヒラと自由自在にレーンチェンジ、コーナリングをこなすことができます。

しかし、街中での扱いやすさは間違いなくMT-07です。MT-09と比べてホイールベースが40mm短く、重量も10kg程度軽いMT-07は混雑する街中を走るのに適しており、まさにスタンダードバイク。どのようなシチュエーションもこなすことが可能です。

また前後のサスペンションもMT-09に比べて、MT-07の方が柔らかく感じます。両車両のシート高は10mmしか変わりませんが、乗車した状態でMT-07の方がサスペンションが沈むので足つきもMT-07の方が楽に感じました。
 

バリエーションモデルのMT-09 TRACERはどうか?

2015年2月10日にはバリエーションモデルのMT-09 TRACERが発売になりました。一言で言えばMT-09の豪華装備版と言ってしまっても過言ではありません。タンク容量が小さいMT-09の泣き所をしっかりとフォローし、MT-09 TRACERは18Lタンクを装備しています。

ただし価格が104万7600円と、MT-09と比べて若干割高ではあります。MT-09が乗り出し80万円前後のところ、MT-09 TRACERは95万~100万円前後になっています。

MT-09は中古車輌も徐々に出てきてはいますが、人気車輌につき価格もあまり下がっておらず、新車を購入するのとあまり変わらない価格で取引されているため、購入を検討しているなら新車で買う方がおすすめです。
 

ちょっと気になるMT-09のリコール情報

ヤマハ発動機は2015年3月17日変速機に不具合があるとしてリコールを届け出ました。リコール対象車輌は2014年9月1日から11月26日までに製造された計1384台です。

また2014年9月2日にもヘッドライトの配線に不具合があるとしてリコールを届け出ています。リコール対象車輌は2014年3月3日~8月19日までに製造された2846台です。

販売店などに車体番号を言えばその車輌がリコール対象車輌からどうかわかりますので、気になる方は問い合わせてみてください。

2017年にもかじ取り装置(した側ハンドルホルダー)のリコールが発表されています。2014年2月10日~2016年の10月24日までに製造された5208台のMT-09ABSと、2014年3月3日~2016年の9月12日までに製造された2651台が対象です。中古の車両などを購入する際にはリコール対応済みかどうかも確認した方が良いでしょう。
 

「すごいバイク」が欲しいならおすすめのMT-09

ここまで読んでいただければわかると思いますが、私はMT-09とMT-07のどちらを推すか?と言われれば、MT-07の方が好みです。私の場合、通勤を含めてバイクに乗る機会が多いため、頻繁に乗っても苦にならない性能を求めます。

これはヤマハが掲げているスタンダードバイクという定義にピッタリときます。MT-09もMT-07も排気量に対して圧倒的に車重が軽いため、取り回しが楽という利点がありますが、MT-09は限界が高くスポーツ走行やジムカーナ、サーキットなどに持ち込むと楽しいのではないかと思います。

ヤマハの広報担当者と「私は個人的にはMT-07推しなんですよね。」という話をした際、二輪の関係者の間でも、この2台の好みは真っ二つに分かれると言っていました。特に私のように街中をメインに走行する人は、やはりMT-07に惹かれる傾向にあるようです。

完全なMT-07推しの私ですが、初めてMT-09で走行した際の感動は大きく、素直に「すごいバイクだ」と感じました。最近は乗りやすさを考えたバイクが市場をにぎわしていますが、ここ最近で最もやんちゃで最も過激なバイクがMT-09です。

MT-09は「乗りやすいバイク志向には飽きてたんだよ!」という人には文句なしでおすすめできる1台です。
 

MT-09をちょっとカスタムするなら

オフロードバイクの技術が生かされたMT-09にはオフロードバイクに採用されることの多いハンドガードが以外に似合います。

本来の用途は林道などを走る際に木の枝などで怪我をしないために装着する為のものですが、冬場の手の冷えなどにも効果が期待できます。
  人によっては若干幅広に感じるMT-09のハンドル幅。ハンドルのポジションは操舵感を大きく変えるので違和感を感じる人はこちらのハンドルがお勧めです。車種専用でワイヤー類の変更が必要ないのもおすすめなポイントです。
  とにかく圧倒的な加速性能が魅力的なMT-09。アクセルを多めに開ければ体が後ろに仰け反ってしまうぐらいですが、小さめでもウインドスクリーンを装着すれば体への風辺りが緩和し快適性がアップします。MRAのスクリーンは種類も豊富なので用途にあわせて選ぶことができます。
  ツーリングなどでMT-09に乗っているユーザーを見ると人気なのはアクラポビッチ製のマフラー。もはや定番商品といっても過言ではありませんが、アクラポビッチのマフラーは製品によってはJMCA,政府認証が取得できておらず車検に通らない製品もかなり輸入されています。他人に差をつけたい方や車検時も安心したい方にはSP忠男のマフラーがおすすめ。とにかく性能に特化したマフラー作りをしており、途中にある膨脹室が最大の特徴です。

 

MT-09スペック(2016年モデル)

型名:EBL-RN34J
価格:MT-09ABS 91万5840円 MT-09 84万9960円 ※どちらも税込み
カラーバリエーション:マットシルバー1・ディープレッドメタリックK
           マットグレーメタリック3・ベリーダークバイオレットメタリック1
燃費:19.4km/L(WMTCモード測定時)
全長・全幅・全高:2075mm×815mm×1135mm
シート高:815mm
排気量:846cc
車両重量:191kg

 

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