究極を意味する「Z」の現在の形

Z800 フロントビュー

Z800 フロントビュー


今回試乗レポートをお届けするのはカワサキ・Z800です。輸出モデルのZ800ですが、この車両を語る上でカワサキのZシリーズについて語らないわけにはいきません。究極を意味する「Z」と、世界一を表す「1」という車名が与えられたZ1がリリースされたのは1972年のことでした。

今でも名車として名高いZ1。しかし当時は国内メーカーの自主規制の問題で750ccを超えるバイクは販売できなかったため(Z1は903cc)、排気量を下げて日本国内で販売されたのがZ750RS・通称Z2です。

Z2は今でも非常に人気があり中古車市場ではプレミア価格がつくほどです。映画や漫画にも頻繁に登場し、反町隆史さんやEXILEのAKIRAさんが主演で実写化された漫画『GTO』や高橋克典さんや永井大さんが主演で実写化された『サラリーマン金太郎』などにも登場しています。

Z1やZ2はZシリーズの中でも郡を抜いてインパクトがあり有名な車両ですが、そのほかにも水冷6気筒エンジンを搭載したモンスターバイクZ1300など究極という名に恥じないバイクが名を連ねています。

カワサキはしばらくZの名をつけたバイクをリリースしていませんでしたが、ここ数年Zシリーズを復活させ、現代に合わせた仕様のZをリリースしています。

1970年代から1980年代にリリースされたいたZシリーズはネイキッドデザインのバイクですが、2000年前半からリリースされ続けているZシリーズはストリートファイター系に近いデザインを採用しています。

Z800もこの流れを受けてストリートファイター系のデザインを採用しており、高いシート高に低い位置のバーハンドル、うすいシートに比較的軽量な車重などまさに今流行のストリートファイター系車両と言えます。

デザイン的にはアグレッシブをテーマーに開発され、シュラウドとアンダーカウルは「獲物を捕らえる肉食動物」をイメージしたというZ800はまさに新時代のZシリーズにふさわしいモデルと言えます。

今回もZ800を一週間都内の通勤で試乗してインプレッションをお届けします。

まずはZ800の装備をチェック!

Z800 サイドビュー

Z800 サイドビュー


まずZ800のシートに跨り一番に感じるのがシートの高さ。諸元表を確認してみるとシート高は834mm。平均的なスーパースポーツ系車両のシート高より若干高いスペックです。シートの幅は狭く、ステップ位置が足を下ろすときの邪魔にならないので身長165cmの筆者でも片足が半分つきますが足つき性は良いとはいえません。

シートはインパクトのあるZロゴをあしらった表皮が採用されていて質感も高い印象です。スポーツ走行での優れたコントロール性を追及したというシートは固めですので長距離ツーリングなどの際には対策が必要でしょう。お借りして事務所に変えるまでの1時間の走行で若干お尻が痛くなりました。

前後サスペンションはプリロードと伸び側の減衰力調整が出来るアジャスタブルサスペンションを装備しています。リアサスペンションは出荷時の状態でもプリロードがかけられていて町乗りでは若干硬い印象ですが、プリロードの調整をすることで足つき性と町乗りでの快適性を改善することはできそうです。

車体はABS無しモデルで229kg。ABS搭載モデル231kgなので決して軽いとはいえない重量です。同程度のクラスだとスズキのGSR750が213kg。ヤマハのMT-09だとABS搭載モデルで191kgです。最近のストリートファイター系車両は軽量に仕上げられることが多い中で比較的重い部類に入るといえます。

ハンドル位置はやはり低く広め。やはりと書いたのは最近のストリートファイター系車両はこの傾向が強くあります。操舵してみるとしっくりと来る感じがありますが、街中で乗るには前傾がきつめですので、あくまでスポーツ性重視のポジションと言えるでしょう。

試乗した期間、街中での燃費は15.96kmでしたので、17Lの燃料タンク満タンで271km走行することが出来る計算になりますが、大きい排気量のバイクは高速道路走行時には燃費がぐっと伸びますのでツーリング時の燃費は期待できそうです。またZ800はハイオク指定ですので給油時は注意が必要です。

ロングツーリング時には各所に荷物を積むためのフックが装着されているポイントも見逃せません。

全体的なセッティングはスポーツ性重視といえるZ800。混みあう都内の通勤ではどのような印象なのか?早速試乗してインプレッションをお届けしましょう。