お正月、子ども向けに伝えたいおせち料理の由来
おせち料理にはその食材一つひとつに意味があり、願いが込められています
家族でおせち料理を囲むとき、その謂れや食材に込められた願いなどを子供に話してみてはいかがでしょうか。
何気なく食べるのではなく、その一つひとつに込められた願いを知ると、日本に根付く風習の素晴らしさやお料理を作ってくれた人への感謝の気持ちも感じることができるでしょう。
そして教養も身についていくのです。では、それにはどのように子供に説明すればよいのでしょうか。
<目次>
子供が理解しやすい「おせち料理の由来」説明
■おせち料理おせち料理は、もとは「お節句(おせっく)」という言葉からきていて、神様にお供えした後、私達も頂くとその恩恵が受けることが出来ると考えられています。
「1年の初めの日に神様が家にやってくるの。その神さまの恵みを受けられるようにと、おせち料理やお雑煮を食べたりするのよ」
と話してあげましょう。
そしてお重箱に詰められているおせち料理には、一つひとつ意味があり、願いが込められていることを話します。諸説ありますが、一般的なものを子供にも理解しやすいシンプルな形にまとめてみました。
食材ごとの意味と願い
形態、見た目から説明するもの
■エビえびは、腰を曲げている様子や髭が長いところがお年寄りに似ているので
「元気に長生きできますように」
■伊達巻き
巻き方が巻物に似ているところから
「しっかり勉強が出でき、学問が実りますように」
■くわい
大きな芽が1本出ているので
「何事にも芽が出て、出世しますように」
■レンコン
たくさんの穴が開いていることから
「先の見通しがききますように」
言葉の掛け合わせから説明するもの
■黒豆まめ(まじめ)に働くという意味と、まめ(健康)という言葉を掛け合わせ
「真面目に働き、健康に暮らせますように」
■栗きんとん
勝ちクリは(勝ち)を意味し、きんとん(金団)は金銀財宝の意味を表し
「勝負に勝ちますように、お金が豊かになりますように」
■昆布巻き
こぶ(喜ぶ)と養老昆布の(養老)とをかけあわせ
「いつも喜んで過ごせ、長生きできますように」
素材の持つ意味から説明するもの
■カズノコカズノコはニシンの卵で、ニシンは卵の数がとても多いことから
「子宝に恵まれますように」
■田作り
昔、田んぼの肥料にイワシの粉末を使ったところ豊作だったことから
「農作物が豊かに実りますように」
■ゴボウ
細く長く地中に根を張ることから、
「家族がその地にしっかり根を張り、安泰に暮らせますように」
■ブリ
成長とともに名前が変わる出世魚であることから、
「出世しますように」
お重を五段重ねる意味
重ねたお重箱に詰める意味は、「福を重ねる」「おめでたいことが重なる」という意味があり、最近では三段のご家庭も多いですが、正式には五段だそうです。四段目まではお料理を入れ、五段目には神様から授かる福を詰める場所として「空」にしておくと言われています。
「今年はどんな福がやってくるのかしら?」
「どんな福をつかみたい?」
と、年の初めに今年1年の抱負を話し合うのもいいですね。
教養ある人に育てるポイント
幅広い教養は人間関係を円滑にしていくことに役だつだけでなく、生きる力にも繋がっていくでしょう。教養ある人とは単に知識だけを多く持っている人ではなく、それによって養われる心も豊かな人を指すことが多いですね。教養とは、親が無理やり教え込んでいくものではなく、日常生活の中で自然な形で知識や体験として積み重ね、子供自身が自発的に学んでこそ、身についていくものです。
親の言葉をプラスしながら、それぞれの家庭にあったおせち料理の話しをすることで、子供の教養も高まってくるでしょう。今年のお正月は、新年の抱負などを語り合いながら、子供におせち料理の謂れや込めらた願いも伝えてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】