システムリスクから地政学リスクへ

2008年のリーマンショックは、サブプライムローンという金融商品が招いた金融システムの崩壊でした。これをシステムリスクと呼びます。システムリスクは、リーマンショックに続き、UAEショック、ギリシャショック、南欧ショックと連鎖して、世界の株式市場を揺るがせました。

2016年に注意したいのは、地政学リスクです。地政学リスクとは、特定の地域でテロや紛争など政治的、軍事的な緊張が高まり、金融マーケットに突発的なインパクトを与えること。

たとえば、2015年でいえば、ウクライナへのロシア侵攻、パリ市内の同時テロ、トルコによるロシア軍機撃墜などは、株式市場に影響を与えました。
幸いにも、2015年は致命的な株価クラッシュには至りませんでしたが、来年はどうでしょうか?

私は、来年の2016年を展望するにあたり、世界の地政学リスクを知ることが、大切な準備となると考えています。

世界の10大地政学リスクとは?

世界には、火薬の匂いがする地域がたくさんあります。
日本経済新聞では、2016年世界10大地政学リスクを、次のように挙げています。
1、テロの脅威
2、ISと中東混迷
3、欧州の政情
4、南沙問題での米中対立
5、ロシアの対外強硬策
6、資源安の重圧
7、中国の内憂
8、北朝鮮の暴走
9、東南アジアの政治不安
10、日本の尖閣・沖縄問題

ここで、私が注意喚起をしたいのは、日本近隣の地政学リスクが、10大リスクの半数を占めていることです。

東アジアは世界の火薬庫?

世界の紛争やテロというと、欧州や中東ばかりを思い浮かべてしまいますが、欧州の株価は意外にも堅調に推移してきました(ドイツDAX株価は2015年でも約10%の上昇)。実は、東アジアは高リスク地域なのであり、2016年に何かが起こっても決しておかしくはないのです。

どんなことが起こりうるでしょうか。
・北朝鮮が暴発し、中国・韓国と戦闘状態へ。
・尖閣諸島で日中が武力衝突。
・中国国内で反政府運動、権力闘争で共産党政権が弱体化。
・南沙諸島で米中が武力衝突。

私たちは少し慣れっこになってしまっているかもしれませんが、日本、中国、韓国、北朝鮮の東アジア四カ国の関係は、最悪の状態にあります。万が一、東アジアで戦争や紛争が起きたら・・・、そして日本にも火の粉が飛んできたとしたら・・・。日経平均や日本円は価値はどうなるのでしょうか?
地政学リスクが、日本の国債市場にまで及んだら、世界のハゲタカ投機家たちは、何を仕掛けてくるのでしょうか?

サル騒ぐ2016年

想像もしたくない悪夢ですが、投資をしている人だっったら、最悪の事態も想定しておかないといけません。そして、そのことの意味は、人によって違っていていいのです。

年金生活に近い世代の人にとっては、投資を控える理由になるかもしれません。しかし、若い世代にとっては、危機はチャンスであり、投資を始める理由になってもいいのです。下がり続けている原油、ゴールドなどの資源価格も、大反発のキッカケをつかむかもれません。

サル年は、「猿騒ぐ」の年といわれ、騒がしい年、つまり大きなトレンドの変化が訪れる年だそうです。自分の人生のステージを考え、世界の歴史の中で今を捉えて、2016年も良い変化の年にしたいものです。
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