アタッチメント理論から見た、年末年始の家族時間の過ごし方
年末年始のお出かけの目的は、「その場所自体に行ってみたい」「子供をそこに連れていってあげたい」という気持ちもあると思いますが、やはり、「家族といい思い出を作りたい」「子供たちとの絆を深めたい」という方が多いのではないでしょうか。とくに、普段、なかなか子供たちとの時間が取れないパパはなおさらでしょう。「親子の絆を深める」という目的を子育て心理学で見ると、量よりも質にこだわることがポイントになってきます。「お出かけ」という切り口で言えば、”どこに行くか”ではなく、”どう過ごすか”が大事なんですね。
小さい子が親に求める精神的な絆を、心理学用語で”アタッチメント”といいますが、これは量よりも質により強化されることが分かっています。以前ご紹介したこちらの記事『パパ育児、こうやると子供の心にポジティブに響く』の中で触れたノルウェーの研究。そこでは、赤ちゃん時代に父子で多くの時間を一緒に過ごしたにもかかわらず、その質が伴っていないと、3歳の時点で社会での適応能力が乏しいなどの傾向が出てくることがあるとお伝えしました。
子どもの笑顔をキープできる内容にとどめるのがコツ
遊びやイベントは、親としての満足度が高まりやすいのですが、連れて行ってあげただけではダメで、そこで質のいい時間を過ごさないことには、効果的なアタッチメント強化にはつながりにくいのです。極端な話、人気の遊園地に行って、大混雑のあまり親がイライラして過ごすくらいなら、家の近所の公園で家族全員ゆったり過ごした方が、子供にとってはハッピーなんですね。
つまり、予定を決める際、子どもの笑顔をキープできる内容にとどめておくのが、ベストチョイスなのです。もしかしたらそこは、地味な場所かもしれません。人気スポットでもなんでもなく、ありきたりの平凡な場所かもしれません。「この時期くらい、話題のスポットに連れて行ってあげたい」という気持ちも捨てがたいですが、子供が近所の公園で心底楽しんでいる顔を見たら、「あ、ここでよかった」と思えるはずですよ。