女子プロ大賞は天空の逸女・紫雷イオが初受賞
【殊勲賞】鈴木みのる
プロレスリング・ノアという伝統ある団体の風景を一変させ、1年を通じて暴君として活躍した鈴木みのる、師匠の関本を倒して世界ストロングヘビー級王者になり、わかりやすく、まっとうなプロレスを突き進む岡林裕二、その存在感はMVPにも値する中邑真輔の3人がノミネートされました。
鈴木＝9、岡林＝5、中邑＝3から第2回の投票となり、鈴木＝11、岡林＝3、中邑＝5で過半数以上の表を獲得した鈴木が受賞です。
【敢闘賞】
岡林裕二
殊勲賞に一歩届かなかった岡林の他、プロレス界のみならず芸能界など各方面に話題を振りまいた本間朋晃、イメージチェンジしてキレのあるコメント、自由な試合内容で新日本プロレスに新しい風を吹き込む内藤哲也、8月にオープン・ザ・ドリームゲート王者になり、なおかつドラゴンゲートの外にも発信力がある鷹木信悟の4人がノミネートされました。
投票の結果、岡林＝12、本間＝3、内藤＝2、鷹木＝2で岡林が堂々の受賞。
【技能賞】本間朋晃
敢闘賞にもノミネートされた本間、鷹木、さらにビル・ロビンソンを継承する鈴木秀樹、エンターテインメント系のDDTで頂点のKO－D無差別級王者になり、殺気溢れるファイトで支持されている坂口征夫、もはや説明の必要はない中邑真輔の名前が上がりました。
実は、私は本間を敢闘賞ではなく技能賞にノミネートしました。ダイビング・ヘッドバットを「こけし」という自分のキャラクターに変え、各種こけし殺法を編み出して、そのこけし見たさに会場に足を運ぶファンがいるのだから、すばらしいテクニックだと言えます。ガサガサ声とキャラクターが注目されてバラエティ番組でも人気者になっているのもプラス要素と考えました。
投票は本間＝7、鷹木＝3、鈴木＝7、坂口＝1、中邑＝1となり、本間と鈴木の決戦投票は本間＝10、鈴木＝9。僅差で本間の受賞となりました。
【特別功労賞】
天龍源一郎
11月15日で39年間のプロレス生活に別れを告げた天龍に特別功労賞を送ることが選考委員満場一致で決定しました。
【女子プロレス大賞】
紫雷イオ
誰が見ても強さと華やかさがわかるスターダムの天空の逸女・紫雷イオ、プロレスの範疇を越えた喧嘩マッチが発生するなどのスキャンダルに見舞われたスターダムの暗いイメージを払拭してみせた宝城カイリ、デビュー20周年＆センダイガールズ設立10周年を迎え、レスラーとしても初代センダイガールズ王者、スターダムのワールド・オブ・スターダム王座を奪取した里村明衣子、昨年は男女の枠を越えて新人賞を受賞し、今年もアジャ・コングとの一騎打ち、天龍とのタッグで話題をふりまいた赤井沙希の4人が挙がりました。
投票の結果は紫雷＝12、宝城＝3、里村＝3、赤井＝1。若手選手を引き上げるなど、大黒柱としてスターダムを牽引した紫雷の姿勢が評価された受賞でした。
【新人賞】
該当者なし
W-1の芦野祥太郎、DDTの樋口和貞、全日本プロレスの野村直矢、センダイガールズの橋本千絋がノミネートされましたが、第1回投票は芦野＝2、樋口＝1、野村＝5、橋本＝3、該当者なし＝8となり、第2回投票は野村＝5、橋本＝2、該当者なし＝12ということで前代未聞の該当者なしになりました。
現在、各団体には有望な若手がいますが、裏を返すと抜きん出た存在がいないというのも事実です。昔は団体数も選手も少なく、新人が出てくると「あの選手はいいね」とすぐに目に付きましたが、今は存在感を示すのが難しい時代です。もちろん我々、選考委員は若手の試合もちゃんと観ています。期待の裏返しの結果とも言っていいと思います。
【レスリング特別表彰】
登坂絵莉（至学館大）ラスベガス世界選手権女子48キロ級優勝（3度目）
吉田沙保里（ALSOK）ラスベガス世界選手権女子53キロ級優勝（14度目）
伊調馨（ALSOK）ラスベガス世界選手権女子58キロ級優勝（13度目）
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