新パティシェール、添田千夏さんを迎えて

アンティーク家具や若手建築家のデザインした椅子をとり混ぜて。

アンティーク家具や若手建築家のデザインした椅子をとり混ぜて。


2015年10月、西麻布2丁目に移転オープンしたplate tokyo(プレート トキオ)。鍋多光介シェフがフレンチやトーキョーキュイジーヌに腕をふるい、客席は各界で活躍する人々や海外からのお客さまも混じって、日によってはたいそう華やかな光景が繰り広げられます。

しかし、プレートトキオの魅力は夜だけにとどまりません。新しく迎えた腕ききのパティシェ―ル、添田千夏さんのデザートを存分に堪能できるよう12時から17時までのカフェタイムが整えられました。今回の記事はその甘美な魅力をご紹介します。

二層のチーズケーキ。 レアとベイクドのふたつの味が堪能できる濃厚なチーズケーキです。

二層のチーズケーキ。 レアとベイクドのふたつの味が堪能できる濃厚なチーズケーキです。


「食べて幸せになれるデザートを提供したい」という添田千夏さんは、ベージュ アラン・デュカス、ブノワなど有名店で修業を積み、アニュ ルトゥルヴェ・ヴーでシェフパティシェールとして活躍してきた経歴の持ち主。今回の新しい舞台で披露するのは、ベーシックなフランス菓子に添田さんならではのエッセンスをちりばめた品々です。

東京で一番おいしいパリブレスト!

パリブレスト

自転車の車輪をかたどったパリブレスト。プレートトキオではクリームを二層にしていっそう魅力的に。


ドリンク付きのデザートセットは季節の素材を織り込んで作られます。お客さまを「これまでに食べた中で一番おいしい!」と感激させた定番のパリブレストも、ある時期はキャラメルバナナ、ある時期はショコラマロンをはさんで季節感豊かに。一般的なパリブレストはプラリネクリームをはさみますが、さらにもう一種類加えて二層式で楽しませるのが添田さん流。

「パリブレストは19世紀に自転車レースの開催を記念して考案されたお菓子。リング状のかたちは自転車の車輪を表しているんですよ」

シュー生地のサクサク感も魅力のひとつだから、お客さまのテーブルに運ぶ直前にもう一度オーブンに入れて温めています。

ヌガーグラッセ

ヌガーグラッセにパッションフルーツのソルベを添えて。ナッツのザクザクした食感が楽しい、はちみつ風味のアイスケーキです。


「ルセットよりも、気持ちが味に出ると思うんです」
添田さんは柔らかい笑顔でそう語ります。パティシェールの仕事は天職だと思う、とも言います。

「好きなことを仕事にするとルーティンをこなす日々が辛くなってしまうという話を聞きますが、私はこの仕事をしながら『やっぱりお菓子を作るのが好きだ』と感じています。落ち込んだ気持ちのときも、作り始めると元気になれる」

だからお客さまにも、たとえ疲れた気持ちでいたとしても食べた瞬間だけは幸せを感じていただけたら、と添田さん。それはオーナーである猪飼綾乃さんとも共通する願いなのです。

スタートはパトリス・ジュリアンのカフェ

オーナーの猪飼綾乃さん

オーナーの猪飼綾乃さん


私が初めて猪飼綾乃さんと出会ったのは十数年前のこと。彼女はパトリス・ジュリアンが白金や恵比寿に作りあげた美しいカフェレストランで働いていました。パトリス・ジュリアンの美意識と生活哲学によって細部まで入念に磨き上げられた宇宙。その中でくるくると働く猪飼さんはとにかく小さくて元気いっぱいの少女のよう……というか、実際にまだ18歳か19歳だったのです。
「足音をたてないで、とよく叱られていました(笑)」

小柄な女性たちの中には往々にしてエネルギッシュで行動力に優れた人がいるものですが、猪飼さんはその典型。東京の飲食店で経験を重ね、ワインを学ぶために日本を飛び出してオーストラリアやフランスのワイナリーで働いた後、帰国してひらまつに勤務。ソムリエの資格を取得して2009年、西麻布にレストランLes Rendez-vous de tokyoをオープンしました。それを2014年にプレートトキオへ移転統合し、2015年10月に現在の地に移転。

久しぶりに再会した猪飼さんの印象は、オーナーとしてゆるがぬ実績を築いてきたにもかかわらず、やはり笑顔はどこか少女のよう。かいがいしく手を動かしながら、ゆっくり話す私の2倍のスピードでデザートセットについて説明してくれました。

お客さまに気さくに話しかけて場を和ませる力こそ彼女の真骨頂。だから夜遅くになっても人々がお店に電話をかけてきて「席あいてる?」と確認するのでしょう。

もちろん昼食も充実

ランチのカレーはサラダから始まります。

ランチのカレーはサラダから始まります。


ランチには松阪ポークのリエットの前菜、ポタージュ、サラダ、天然真鯛と根菜のヴァプールまたは尾崎牛のローストなどが選べてデザート付きの充実したコースが用意されていますが、界隈で働く人々のための手軽なメニューも好評。エレガントなカレーとサラダ、「かうひい堂」の豆を使ったコーヒーのセットを筆頭に、サンドウィッチやニース風サラダなどが楽しめます。

私がいただいたのはカレーのセット。最初にサラダが運ばれてきますが、移転前の時代から人気だったというドレッシングが秀逸です。ドライいちじくとシェリービネガーの中に醤油がほんのり香るのです。砂糖の類を加えていないのに自然な甘みを感じるのは、ドライいちじくのおかげ。

贅沢な素材を使ったカレー

贅沢な素材を使ったカレー


カレーは具材にディナーに使用する高級肉を用いた贅沢な作り。ワインと合わせても楽しめるよう刺激的なスパイスは控えめにして、誰が食べても素直においしいと感じられる味に仕上げられています。

陽射しが降り注ぐ明るい時間帯、とびきりの昼食とデザートで過ごす幸福。嬉しさのあまり猫のように喉を鳴らして、目を細めて。

日曜日は定休日ですが、予約を入れればパーティーが可能なので気軽に相談してみてください。3階には若手建築家、石上純也がデザインを担当したパーティースペースがあるのです。2016年は1月6日から営業スタート。

カフェタイム(12:00~17:00)のメニュー

Foods

ランチコース(本日の前菜、スープ、サラダ、魚または肉料理、デザート、ドリンク)3800円
尾崎牛カレーとサラダ お醤油香ドライイチジクドレッシング 平日1000円/休日1300円
ニース風サラダ 1200円
サンドウィッチ各種 ※チャバタまたはバゲットを選べます。
○スモークサーモンとクリームチーズ 1200円
○ビゴールハムとカマンベール 1500円
※いずれもコーヒー付き。食後のデザートは+800円

Sweets

デザートセット 1450円
○パリブレスト
○二層のチーズケーキ
○ヌガーグラッセ
○ガトーショコラ
○パンペルデュ etc.
ドリンクは以下から選べます。
○エスプレッソ ○カフェラテ ○カプチーノ
○コーヒー ○紅茶(アールグレイ) ○ミントティー etc.

shop data

plate tokyo(プレート トキオ)
【住所】東京都港区西麻布2-10-1
【TEL】080-4689-9059
【OPEN】Cafe 12:00~17:00 Dinner 17:00~22:00L.O.
【CLOSE】日曜日
【最寄り駅】メトロ「乃木坂」駅より徒歩11分


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。