2015年モデル最新カーナビを総括

人気メーカー各社のカーナビ2015年モデルが出揃った。そこで、今回は2015年に発売されたカーナビ・AVナビを総括してみたい。

ケンウッド彩速ナビはハイレゾに対応

スマホのカーナビアプリで十分という人が増えているとはいえ、据付型のAVナビにはAVナビならではのメリットがある。その一つが音楽再生機能。2015年は、このあたりにスポットを当てたAVナビが多い。

2015年、真っ先に新製品を投入したケンウッドのウリはハイレゾ再生。彩速ナビの上位機種・MDV-Z702(オープン価格)で、最大192kHz/24bitのハイレゾ音源の再生を可能にした。ハイレゾ音源とはCDを超える音質のデジタル音源で、いまオーディオ業界がこぞって普及に力を入れている。ホームオーディオやポータブルオーディオでは、すでに普及価格のプレーヤーが多数出ていて、ハイレゾ再生機器は手に入れやすい状況にある。その波がいよいよクルマの中にも、というわけだ。

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ケンウッドMDV-Z702はハイレゾ再生に対応


新フォーマット登場時の例に漏れず、ハードが先行してソフト側がそれに追いついていない感はあるが、レコーディング時のクオリティそのままの音源が家庭やクルマで楽しめるため、今後は普及する可能性もある。そんな音源をいち早くクルマでも楽しみたいなら、MDV-Z702は良い選択肢といえる。

カーナビ機能も優れている。まずフリック&ドラッグといったスマホライクな操作を実現し、その操作レスポンスもスマホ並みに速い。またWi-Fiに対応し、スマホとのテザリングによりスマートループ渋滞情報や天気予報の取得、音声検索などが可能になるなど、スマホとの親和性も高い。画面も鮮やかで、コストパフォーマンスの高さはトップクラスといえる。

クラリオンからは縦横比9:20のウルトラワイドモニター

クラリオンは、ワイドコンソール車に対応する200ミリ・ワイドボディ機の横幅を最大限に活用して画面を大きくしたスーパーワイドナビを開発した。従来のワイドボディ機はモニターの右横にメニューやボリューム等のハードキーを置き、モニターサイズは7型ワイドのままというのが一般的だが、クラリオンは横幅いっぱいをディスプレイにして画面の面積を稼いでいる。

そのため通常のワイドTVが縦横比9:16なのに対してクラリオンのスーパーワイドナビは9:20。つまり映画のシネスコサイズと同じ比率なので、通常は上下に黒い帯が出たり左右が切れたりしないで、画面いっぱいに映像を映し出してくれる。車内で映画DVDを見る機会が多い人にはいいかもしれないし、地図もより広い範囲を表示する。

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縦横比9:20のワイド画面を採用したクラリオンMAZ775W


ナビ機能だが、フリック&ドラッグによるスクロールが可能で、インテリジェントボイスにより対話型の目的地検索や電話発信、メール&メッセージ送受信、音楽再生といった操作が可能。VICSワイドに対応し、従来のVICSより詳しい渋滞情報などが得られる。スマートフォン連携も得意。スマホアプリの「Smart Access 4Car」を使って、トイレサーチ、美人時計、とくせん周辺情報など、他にはないスマホ連携機能が使える。

スマホを使った音響チューニング機能も面白い。この「Intelligent Tune App」はスマホのマイクを使って車内音響特性を計測し、クルマに応じた音響補正を自動的に行うという機能を持つ。手順はいたって簡単で顔の周辺でスマホを回すだけ。その回し方によって補正具合も若干変わってくるので厳密とはいえないが、確実に音響補正はできる。Wi-Fiスマホリンク対応のAndroidをお持ちならWi-Fi経由の動画再生も可能。スマホ連携の多彩さに関してはトップクラスで、この辺を使い倒したい人にはおすすめできる。

音楽ストリーミングに対応したサイバーナビ

カロッツェリア・サイバーナビは、ミュージッククルーズチャンネルという音楽ストリーミング機能を2015年モデルで新たに採用した。

今やApple Musicを始め、定額の音楽ストリーミング・サービスが増え、iPhone接続可能なカーナビなら車内でストリーミング再生できるためありがたみは薄いが、ミュージッククルーズチャンネルは、カーナビのタッチパネルで操作できたり、レコメンド機能が充実しているといったメリットがある。また使用権が1年分ついているので、1年間は無料で楽しめる。邦楽中心でそれに比べるとと洋楽はやや弱い傾向はあるが、つねに音楽を聴いていたい人にはいいかもしれない。

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音楽ストリーミング機能を身につけたサイバーナビ。写真はAVIC-VH0999S


これに伴い、音質面も大幅に改良。2014年モデルに比べて中高域の質感が上がり、低域のエネルギー感も増している。バランスのいい音楽再生が楽しめるようになったことも記しておく。

ナビ機能は2014年モデルと変わっていないが、一歩先をいく先進性を保っている。例えば、スマートループ渋滞情報をもとにした渋滞回避ルートの精度の高さだったり、自車位置測位精度の高さによる正確な案内、地図にない道を走れば地図に書き加えてくれるロードクリエイターなど、他にはない機能を上げるときりがない。

一度、サイバーナビでドライブすると、他のカーナビの機能が物足りなく感じるほど、ナビ機能に関しては充実かつ先進的。操作レスポンスやややもたつく感じだが、ナビ機能の充実ぶりと先進性に関しては、サイバーナビに勝るものはない。

アルパインの車種別専用設計の大画面ナビ

アルパインのカーナビは、大画面と車種別専用設計という独自の路線を歩んでいる。とくにビッグXプレミアムは、インパネのボタンまで一体でデザインしており、純正インパネへのマッチングもいい。

カタログ等でアピールしているわけではないので、意外と知られていないのが音の良さ。オーディオ部分は毎年改良が加えられており、2015年モデルは電源部のダイオードを赤色LEDに変えるなどの改良で、さらに音質を向上させた。とくに低音の安定感とS/Nの良さは特筆レベル。内蔵アンプであることを感じさせないエネルギー感のある安定した低音に支えられ、クオリティの高い音楽再生ができる。

車種専用設計を活かし、音響チューニングを車種別に行っていることも記しておきたい。他のナビで車種別チューニングというと、イコライザー等の補正で行っているわけだが、アルパインは違う。回路的に車種別チューニングを行っているのだ。それはピアノの調律にも似た作業だという。このような地道な努力が高音質として身を結んでいる。