低温やけど(低温熱傷)とは

短時間では問題とならない程度の比較的低い温度が、長時間にわたって接触部に作用して生じるやけどを低温やけど(低温熱傷)と言います。

範囲も狭いことが多く、一見軽症に見えますが、低めの温度でじっくり深くまで熱が作用するために、見た目以上に重症なことが多いです。通常のやけどよりも治るまでに何倍もの時間を要し、1、2ヶ月かかることもしばしばあります。また傷跡が残ることが多いのも特徴です。季節としては冬が多く、膝下から足に多く見られます。

低温やけどの温度は何度くらい?接触時間は?

日本熱傷学会のホームページによれば、心地よいと感じる温度である40度~50度程度でも長時間皮膚が接することで起こるとしています。42度で6時間、50度で3分間、(60度で5秒間)で細胞が変化すると言われています。

「少し赤くヒリヒリする程度であったのが、翌日になったら水ぶくれができていた」「たいしたやけどではないと思い、市販の薬を塗っていたが、1週間を過ぎても治る気配がなく心配になってきた」など、やけどを負ってすぐに受診しない場合が多いです。

低温やけどの原因

湯たんぽ、カイロ、電気毛布、電気あんか、電気コタツ、フットウオーマー、ホットカーペット、床暖房などの各種暖房器具、また暖かいトイレの便座や肩凝り用発熱シートなどによる報告もあります。

低温やけどはどんな時に起こる?

通常「熱い」と感じると、熱源から遠ざかろうとします。しかし、何らかの理由により「熱い」と感じる知覚が低下している場合や、「熱い」と感じても思うようにそこから体が動かせない場合などは特に注意が必要です。具体的には飲酒や薬物、過労などで熟睡していたり、体が不自由な方、寝返りが出来ない乳児、ご高齢の方、糖尿病、その他知覚運動障害などがある場合です。

また、糖尿病や閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤など足の血流が悪い状態、ステロイド内服治療中など、キズが治りにくい方もさらに気をつけて頂きたいと思います。

 

低温やけどundefined下腿

低温やけど 下腿
 

低温やけどundefined水ぶくれ(水疱)ができています。

低温やけど 水ぶくれ(水疱)ができています。

低温やけどundefined一部に白い壊死組織があります。

低温やけど 一部に白い壊死組織があります。

低温やけどundefined黒い壊死組織で覆われています。

低温やけど 黒い壊死組織で覆われています。


 

低温やけど 最近の傾向

先日も消費者庁から低温やけどに関する注意喚起がありました。原因で一番多いものは、湯たんぽ。ついで、カイロ、ストーブ類、電気毛布、電気アンカとのことです。近年、可愛らしい袋などに入った湯たんぽのブームや、多種多様な暖房器具の普及に伴い、低温やけどは若い年齢層にも広がってきています。

忘・新年会シーズンは特に注意!

これから忘年会、新年会と飲酒の機会が増える方も多いと思います。湯たんぽを抱え、酔っ払ったまま寝てしまい、顔にやけどを負ってしまったり、最悪の場合、足の切断を余儀なくされた例も報告されています。

カイロ、湯たんぽ、電気あんか、フットウオーマーなどは寝床が温まったら、取り除いたり、電源を切るなど十分に注意して快適に使いたいものです。ヒリヒリと痛みがあったり、皮膚に変化がある時は、速やかに皮膚科や形成外科を受診してくださいね。

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神楽坂 肌と爪のクリニック