京都の街並みを一望できる「大河内山荘」
天龍寺北門を出て右に進むと、竹林の中にたたずむように、『源氏物語』にも登場する縁結びの神様、野宮(ののみや)神社がありますが、今回は左へ進みます。少し行くとT字路に突き当たり、「国指定文化財 大河内山荘庭園」と書かれた黒い門が見えます。
大河内山荘入口
この場所は、かつての時代劇の名優、大河内 傳次郎(おおこうち でんじろう 1898~1962)の別荘跡。傳次郎が、64歳で亡くなるまで約30年もの歳月をかけて、こつこつと造営したという回遊式庭園が公開されています。
紅葉の季節の大河内山荘
とくに素晴らしいのは、庭園の散策路の途中にある2ヶ所の展望台からの眺望。
「嵐峡展望台」からは嵐山と小倉山を間近に見ることができ、また、その少し先にある「市内展望台」からは、比叡山、大文字山、双が岡(ならびがおか)、清水寺や京都タワーまで、京都の市街地と周囲の山々の景色を一望できます。
「市内展望台」からの眺望。奥に見える高い山が比叡山
「大河内山荘」の拝観チケット(1,000円)には、抹茶代が含まれているので、庭園の散策を楽しんだ後は、お茶席でゆったり休憩しましょう。
抹茶(大河内山荘)
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■大河内山荘
住所:京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町8
アクセス:嵐電「嵐山」駅から徒歩15分
地図 → 京都観光Navi
嵐山・嵯峨野の紅葉の名所といえば常寂光寺
「大河内山荘」を出たら、さらに竹林の道を先へと進みます。右手の眼下には、竹と竹の間から、トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)の「トロッコ嵐山」駅が見えますね。ここからトロッコ列車で終点の亀岡まで行き、帰りは保津峡の舟下りで嵐山まで戻るプランもおすすめですが、観光シーズンはトロッコ列車がすぐに満員になってしまうので、乗車するなら予約しておいたほうがいいでしょう。
「トロッコ嵐山」駅に停車中のトロッコ列車
竹林の道は、「トロッコ嵐山」駅のあたりで終了ですが、もう少し先まで散歩を続けましょう。
「トロッコ嵐山」駅を過ぎると、左手に池が見えてきます。この池の畔にまつられているのが、御髪(みかみ)神社。
「髪」は、すなわち「神」に通ずるものとして、日本で唯一「髪」を守る神社なのだそうです。最近、ちょっと髪が気になるという方や、いつまでも若々しい髪を保ちたいという方、ぜひお参りしてみてはいかがでしょうか。
さて、池に沿ってさらに進むと、その先に常寂光寺の山門が見えてきます。
紅葉の名所、常寂光寺の山門
常寂光寺は、藤原定家が「小倉山荘(時雨亭)」を構え、『小倉百人一首』を編んだ旧跡。そして、嵐山・嵯峨野エリアで、紅葉のイチオシの名所といえば、この常寂光寺です。とても美しい紅葉を楽しめますが、かなり混雑します。
常寂光寺境内の紅葉
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■常寂光寺
住所:京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
アクセス:嵐電「嵐山」駅から徒歩20分
地図 → 常寂光寺ホームページ
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