年金の損得、なんとか解消する方法はないものか
国の年金について、安心や信頼を感じている人は少数派です。多くの人は不安や不信感を持っています。どうせもらえないのだろうと極端に考える人もいれば、払った分戻ってくるのは難しいのではないか、と考える人もいます。まず、年金制度が破綻する可能性についていえば、現実的にはほとんどありえません。破綻しないよう、毎月の年金額をカットする仕組みがすでにできあがっているためで、「まったくもらえない」という心配はほとんど意味がない状態です。もちろん減ればいいわけではないので、その分を自分で備える意識が必要になっています。
しかし、損得論はなかなか解決しにくいテーマです。感覚的にはあまり得しないような気がしますし、雑誌やネットでも世代間不公平の代表格として年金の説明がされるのが定番です。
もうちょっと細かくいえば、昔のほうが保険料は少なくてすんだはずなのに私たちのほうが保険料率は高くなりましたし、昔のほうが早く年金をもらえたのに私たちのほうが年金受取開始は遅くなっていきます。やはり損得論でいうと若いほど損のような気がします。
今回はお金について逆転の発想、マネーハック目線で年金の損得を解消する方法を考えてみたいと思います。
未納はむしろ損失を拡大すると考える
年金の損得論といえば、保険料そのものを納めないことで損を食い止めることができるのではないか、と考える人もいます。つまり未納です。しかし、これはむしろ逆効果です。年金制度の損得論でいえば、未納者が未納をするほどその損失は拡大していきます。なぜなら、国民年金制度からの将来の年金給付(老齢基礎年金)の財源は半分が国の税金から捻出されているからです(しかも今後はもっと引き上げられると思われる)。
未納者は未納していた期間に相当する年金額はゼロです。自分の保険料分のモトが取れないかもしれないと未納したら、実は税金分ももらえないことになります。未納者の年金額が少ないからと所得税や消費税が減税されることは絶対にありません。未納するほど一方的に損をするだけなのです。
所得がないなどの理由できちんと免除手続きをすると税金分だけは年金額に反映されます。免除されて払わないのと未納で払わないのは全然違います。そう思えば、さらに未納のツケは大きいことが分かります。