子育て/子供のしつけ

「父親の威厳」は子育てに必要か?(2ページ目)

地震・雷・火事・親父……。昔は「おそろしいもの」に数えられていた父親ですが、昨今は「やさしいパパ」が増えてきました。祖父母世代からは「父親の威厳」がなくなったと嘆く声もちらほら……。「父親の威厳」とは、何なのでしょうか? 子どもを育てる上で、果たして必要なモノなのでしょうか?

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

威厳とは何か?

父親

威厳のある父親は、子どもに敬愛されているものです

「威厳」を辞書で引いてみると「近寄りがたいほど、堂々としておごそかなこと」。「おごそか」は「重々しくいかめしいさま。礼儀正しく近寄りにくいさま」とあります。(デジタル大辞泉

誤解している人、結構多そうですね。「おごそかで近寄りがたい」と「暴力を振るわれるのが恐ろしいから近寄りたくない」を、一緒くたにしていたりしそうです。親からすれば「子どもが近寄ってこない」という点で同じかもしれませんが、子どもからすれば、「尊敬」と「見下し」ほど違います。

「威厳がある父親」と「威張っている父親」とは違いますし、「寡黙な父親」だからといって威厳があるわけでもありませんよね。うそやごまかしが通じない、姿勢を正して真剣に向き合わなければならないと感じさせるような、静かで落ち着いた雰囲気を「威厳」というのではないでしょうか。

子どもを叱るとき、大きな声を出したり、声を荒げたり、叩いたりするなら「威厳のある父親」ではないのでしょう。威厳があれば、静かに教え諭すことで十分事足りるはずですから。


頑固オヤジは、卒業しよう

一昔前は、サザエさんの波平はカツオの頭をげんこつで殴っていましたし、ドラマなどにも夫が妻を張り倒すシーンが普通にありました。しかし、それらは「体罰(虐待)」や「DV」にあたりますので、今では表現も自粛されています。

「すぐに手が出る、頑固オヤジ」を現代風に評価すると「DVや虐待を日常的に繰り返している、家族と対話しようとせず自分の意見をかたくなに曲げない父親」とでもなるでしょうか。

その反対は「些細なことで感情的にならず、家族と丁寧に話し合うことで解決策を見出そうとする。相手の意見を聞いて、柔軟に自分の考えを修正していける父親」でしょうか。

以前は当たり前に行われていた学校での体罰も、今では大問題です。言葉によるコミュニケーションが以前よりもはるかに重視されてきています。頑固オヤジは、そろそろ卒業したほうが良さそうですよね?

>> 父親に期待される「機能」とは何でしょうか?

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