ケニア/サファリの基礎情報

サファリでの撮影から学ぶ!簡単動物写真のコツ

カメラのプログラムやオート機能を利用する、いわゆるお任せのモード。シャッターチャンスがものをいう野生動物の写真撮影には、とっさの設定が必要ないお任せモードがお勧めです。ところがお任せモードでも、ときど失敗写真になってしまいます。ケニアの動物写真でありがちな失敗写真を防ぐ簡単な方法をご紹介します。

執筆者:武田 ちょっこ

簡単機能ひとつで失敗写真を防ぐ

kilimanjaro

バックが明るいときは動物が暗く写りがち。これは<スポット測光ボタン>や<露出補正機能>で解決できます


様々な機能を搭載した高機能カメラはとても便利ですが、シャッターチャンスが良い写真を撮る秘訣であるサファリでは、数々の機能を操作している間に動物が逃げてしまう、という失敗が起こりがち。そこで、シャッターを押すだけでの<お任せモード>の機能がお勧めです。ところがこの機能を利用していると、カメラの判断で平均的に良い写真を撮ってはくれますが、それが自分にとって良い写真とは限りません。

ガイドはケニアで動物を撮るとき、基本的にはカメラにお任せの<プログラム設定>にしていますが、プラスして簡単な機能をひとつ活用しています。逆光の補正やちょっと雰囲気のある写真を撮るのにとても便利な機能なので、ここで簡単にご紹介します。

サファリでよくある失敗写真1:動物が黒く写ってしまう

giraffe

プログラムで撮影。キリンが黒っぽく写ってしまいました


<プログラム>や<オート>で撮影していると、遠方のキリンなどが黒っぽく写ってしまうことがあります。これは特に明るい時間帯に起こりがちな、サファリのあるある失敗写真。

失敗の原因は、プログラム機能ではカメラはファインダー内全体の明るさを平均的にとらえて写すからです。昼間の陽射しが強烈なケニアでは、カメラは「被写体は充分明るい」と判断するため、カメラに取り込む光を控え目にしてしまうのです。そのため動物には光が足りず、暗くなってしまうわけです。

camera1

カメラの機種によってボタンの位置は違いますが、スポット測光ボタンは通常ファインダーを覗きながら押せる位置にあります

これを解消する方法に、<スポット測光>という機能があります。ピントを合わせるとき、合わせたい部分でシャッターを半押しますが、あれと同様です。明るさを合わせたい部分で<スポット測光ボタン>を押せばいいだけです。

つまり上の写真では、暗いキリンの部分で<スポット測光ボタン>を押すと、カメラはキリンの明るさを測定するため、「被写体を暗いな」と判断し、光を多めに取り込んでくれるのです。あとは構図を決めてシャッターを押すだけ。

giraffe2

全体が明るくなり、キリンの暗さが軽減できました


逆光で顔が暗く写ってしまうときなども、スポット測光を利用すれば補正できます。

なお、カメラが測光できる範囲はスポット測光、中央部分測光など様々あり、好みで設定できるので、MENUから設定してください。カメラ機種によって名称は違うので、ご自分のカメラの取扱説明書をご参考にしてください。

サファリでよくある失敗写真2:どうぶつが白く飛んで写ってしまう

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プログラム機能で撮影。マングースの顔が白くて飛んでしまいました


前記のケースとは逆に、動物が明る過ぎて白く写ってしまう失敗もあります。例えば上の写真では、巣穴の部分がとっても暗いため、カメラは「被写体は暗い」と判断し、光をたくさん取り込んで明るく写しました。そのため肝心のマングースの顔が明る過ぎになってしまった例です。これもスポット測光で解消。

mongoose2

指1本で測光ボタンを押しただけで、この通り!


マングースの顔の明るい所で測光ボタンを押すだけでOK。するとカメラは「被写体は明るい」と判断し、取り込む光を抑えるため、白く飛んでしまう失敗を防げます。それでもまだ顔が明るく写ってしまうときは、顔よりもっと明るいところ(例えば手前の岩の明るい部分)でスポット測光すると、更に光を抑えて、暗めに写せます。

スポット測光は設定さえしておけば、ファインダーをのぞきながらボタンひとつで補正できるのが利点です。一方で、画面内を平均的な明るさで写したいときは、スポット測光をオフにする必要があります。


次ページは、スポット測光を利用して簡単に写せるシルエット写真の撮り方

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