株・株式投資/決算書からチェック!気になる銘柄の株価

決算直後に売られたファストリ株は買いか売りか?(2ページ目)

過去最高の業績にも関わらず、ファーストリテイリング株は売り込まれました。なぜなのでしょうか? 投資家はどんな業績を期待していたのでしょうか? 今の利益水準と株価を比較しながら考えてみましょう。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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×20ってなんだ? 適正株価を計算する。

EPSが増加トレンドにあることは分かった。それじゃあ株価がどうなっているか見てみたいですよね。
でもその前に、EPS×20の「×20」という部分についてみてみましょう。ここで20を掛けたのは、ファーストリテイリングの適正株価を計算したかったからです。

どんなものにも適正な値段があります。ペットボトルの水500mlなら100円くらい。庶民向けの飲食店で食べるランチなら800円くらい。株式にも同じように適正な値段があります。「適正株価」と呼ばれたり、「1株当たり株主価値」と呼ばれたりします。ここでは「1株当たり株主価値」を略して「1株価値」と呼びましょう。

ではなぜEPSに20を掛けたら、1株価値が計算できるのでしょう?
理論的に正しい1株価値の計算は、非常に複雑です。DCF法(ディー・シー・エフ法)と呼ばれる方法によって計算します。これは理論的には正しいのですが、とても煩雑です。これに代わる簡便な方法として、「過去の株価はEPSの何倍くらいで推移してきたか?」によって1株価値を算出する方法もあります。これなら簡単そうですね。

株価はEPSの何倍か?というのは、株式投資ではPERという指標で知られています。
PER = 株価 ÷ EPS

東京証券取引所に上場する企業のPERの推移を見ると(東京証券取引所が公表しているデータをもとに算出)、過去10年間でだいたい平均20倍になっています。つまり、過去10年間をみると「株価はEPSの約20倍で推移してきた」といえます。そこでEPSに20を掛けたのです。

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