始動後の感想
思った以上に作動音は静か。若干のモーター音はするものだと思い込んでいたのだが、ほぼ無音に近い。これならば騒音による制約はなく、水槽の設置場所も広がる。実際、モーターから洩れる音が苦になる、ポンプやフィルターは多い。耳を澄まさなければ気にならない様な音でも、寝室やリビングなどに置くと思いの外、気になるもの。癒しのアクアリウムの筈が、ストレスの元凶とならない為にも、フィルターの「音」の有無は重要な選択肢の一つだといえる。また、パワーのある他のフィルターと比較して、水流によって魚や水草がなぎ倒されてしまう事もなかった。これは、ポンプのパワーが低いことの、裏づけでもあるが。
キャップを回転させ外し、水を注ぐことで簡単に呼び水ができる。 |
本製品の“ウリ”の1つに、呼び水操作が簡単な事が挙げられる。本体上部にある呼び水キャップを外し、水を注ぐだけで始動ができる。これは旧タイプの外部式フィルターにしか馴染んでいない方にとっては、ウレシイ機能だ。ただし、慣れないうちは、水をギリギリまでいれてしまい、キャップを閉める際にフィルターの周りを水浸しにしてしまうことも… また、呼び水が少ないと、インペラー部分に空気が噛んでしまい、暫くガーガーと異音がすることがある。が、暫く放置しておけば、エアー抜きチューブからエアーが抜けるので特に問題はない。
では気になるろ過能力の方はと言うと、付属のろ材(フィルターマット、ロカリング、フィルターフォーム)の使用で、適応水槽(25L以下)であれば、常識的な範囲で魚を飼育するのであれば問題ないだろう。付属の「ロカリング」は、目詰まりのし辛い形状のオールマイティーに利用できるろ材だが、拠り表面積のある形状のろ材に交換するのも良いだろう。その際、目詰まりによる、ろ材の洗浄間隔が早まるのは仕方ない。同社からも専用の交換ろ材、前処理目的のプレフィルターが数点販売されているので、好みに拠って選択すると良いだろう。
たまに「フィルターフォーム(青いスポンジ状のろ材)」の代わりに、セラミックやガラス製のろ材を使用しているのをみかけるが余りお勧めしない。ろ過能力というのは、ろ過面積+流量(バクテリアの繁殖に適した速度)で決定する。単にろ材を増やしたからといって、ポンプの能力は一定なので単純にろ過効率が上がるものでもない。かえって、流量の低下による、効率の悪化にも繋がりかねない。
まとめ
ここまで挙げたように、細かいところまで見れば長短は存在する。しかし、現状他に同等の製品が無いこともあり、ろ過に関して無知な状態での覚束ない工作で自作するよりは、はるかに優れた商品だと言える。吐出量の小さい小型フィルター故に、給排水ホースも細く、ろ過容積も小さいため、目詰まりによる流量低下は製品の性質上仕方の無い部分。この辺りは、普段の観察から流量の低下を察知し、まめにホースやろ材を清掃することにより補えるだろう。これはある意味、小型水槽を維持する上で、仕方の無い部分だといえる。
総合的に判断して、
- 小型水槽をシンプルに維持する
- CO2のロスが無い外部フィルターを選択したい
これらが目的であれば、十分に納得のいく製品だとお勧めできる。ただし、拠り強力なろ過能力を必要とする海水水槽での使用や、水を大量に汚すような魚を飼育する際はこの限りではない。あくまでも一般的な熱帯魚飼育においての使用が前提で、ろ過能力的にはそれ程高い製品ではないことを付け加えておく。
標準小売価格 | ¥7,000(税別) | ||
適応水槽 | 40cm(25L)以下・淡水・海水両用 (50/60Hz共通) | ||
本体寸法 | (W)150×(D)90×(H)170mm | ||
定格電圧 | AC100V 50/60Hz | ||
定格消費電力 | 3.0W/50Hz | 2.5W/60Hz | |
吐出量 | インペラーからホース最上部まで 8cm | 155L/h | 165L/h |
インペラーからホース最上部まで 45cm | 140L/h | 150L/h |
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