熱帯魚の餌には、大別して人工飼料と生き餌、冷凍飼料、フリーズドライ飼料にがあります。では、それぞれの代表的な餌について、解説していくことにしましょう。
とは言っても、コミュニティータンクで飼育される熱帯魚の場合、人工飼料のみで飼育できる種類が大半です。経済性に優れ、手間がかからず衛生的な、利便性の高い餌になります。逆に、人工飼料を口にしないような種類は、初心者にとって飼育が難しい種類であることが多いとも言えるでしょう。
最も一般的な餌で、多くの熱帯魚がこれのみで飼育することが可能です。数色からなる薄いフレーク状の餌で、ゆっくり沈むため多くの魚に餌が回りやすく、残り餌が出にくいことが特徴です。
生き餌と比べると嗜好性ではやや劣りますが、中・小型魚の多くが口にするためオールマイティーに使用でき重宝します。一部、現地からの採集魚などでは、慣れるまで口にしないこともあります。
各メーカーより、それぞれ商品化されていますので、お好みのものをどうぞ。
ネオンテトラなどの小型魚が主体の水槽であれば、顆粒状の餌も選択肢の1つに挙げられます。製品によって顆粒の大きさに違いがあるため、飼育魚の口のサイズに合わせて大きさを選択します。こちらも、各メーカから多数製品化されています。
また、少々大きな形状のもので、一度発泡成形した後に粉砕したクランブル状飼料というものがあり、ディスカスフードなどが代表的です。高タンパクのため魚の成長率も高く、色揚げ効果が見込める製品などもあります。ディスカスに限らず中型魚に。細かく砕いて小型魚に。また繁殖を視野にいれた飼育のメインフードにも成り得ます。
主に中・大型魚に与えるものに、ペレット状の人工飼料があります。魚のサイズに併せた大ぶりな形状で、肉食魚用に開発された嗜好性の高いものから、植物質を豊富に含んだ補助的なものまで幾つかのタイプが販売されています。中型以上のコイ科の仲間や、アロワナ、大型のナマズの仲間などに与えます。
コリドラスやプレコなどの底棲魚のために、素早く沈むタブレット状の飼料もあります。通常の餌だと底まで回らない場合に、重宝します。他の混泳魚が直ぐに餌を食べてしまい、底にいるコリドラスなどに餌が回らない時や、底棲魚がメインの水槽などで使用します。