そこで今回は韓国版「金八先生」に匹敵する学園ドラマ「学校」をご紹介します。
生徒役の新人がこぞってビックスターに
韓国の学園ドラマに新風を巻き起こした「学校」が誕生したのは1999年。高校2年の担任教師とその生徒たちを中心に、校内暴力やいじめ、教師間の派閥問題など、これまでドラマでは触れられてこなかった教育現場での問題をリアルに取り上げたことで大きな話題を呼びました。それまでも、青少年向けの明るい学園ドラマや、学校を舞台にしたコメディやホラーなどは制作されていましたが、保守的な韓国において、地上派で学生たちに関わる社会問題を大きく取り上げるまでには、日本よりも時間がかかったと思われます(3年B組金八先生」の初回放送は1979年)。
「学校」の脚本家のキム・ジウは、学校で起きる小さな事件を描いた学園ドラマ「新世代報告書 大人たちは知らない」で1996年にデビューし、その経験をベースに「学校」を執筆。子供たちだけが知っていて、大人たちは知らない教育現場の現状を世に知らしめた「学校」は、子供を持つ親世代からも共感を呼びました。
また、生徒役を演じた新人たちにも注目が集まり、一躍スターになったことも「3年B組金八先生」と同様。アウトローな生徒役を演じたチャン・ヒョクを中心に、ぺ・ドゥナ、チェ・ガンヒなど、多くのビックスターを輩出しました。金八先生と少し違うのは、ドラマの目線が教師目線よりは学生目線で描かれていることでしょうか。