他の二台に比べると安定志向のセッティング
車重はセローが130kg、トリッカーが125kg、それに対してXT250Xは133kgと三兄弟の中では最も重いのですが、それでも250ccクラスでは軽量な部類に入り、取り回しは非常に軽く感じます。押し引きにストレスを感じないので気軽に乗ることができそうです。
軽量さもあり250cc単気筒エンジンは18ps/7500rpmと圧倒的なパワーはないものの、軽快さとパワフルさを体感することが可能です。
タイヤサイズは前後17インチを採用しており、横幅はフロントが110mm、リアが130mmを採用しています。兄弟車輌はオフロードタイヤを採用しており、タイヤ幅もせまめですが、XT250Xはロードタイヤで幅広のタイヤを採用しているためコーナリング時の限界性能が高く、直進走行中の安定感にも秀でています。
三兄弟は二次減速比がそれぞれ異なるのも興味深いポイントです。セローが3.200、トリッカーが3.000、そしてXT250Xが3.066です。数値が大きいほど加速重視のセッティングになり、数値が小さいほど高速重視のセッティングになります。
街中での走行を重視しているXT250Xはセローに比べて高速重視のセッティングがなされており、高速走行時に低い回転数で走行することが出来るためエンジンの振動による疲労が軽減されます。
二次減速比の低いセローや車重の軽いトリッカーは加速にパンチがありますが、XT250Xは他の二台と比べるとやや鈍いような印象があります。しかし燃費は私が同じ道の通勤で使用した結果、トリッカーが32km/L、セローは33.5km/L、そしてXT250Xは34.96km/Lでした。カタログスペック上はセローが40km/L。トリッカーとXT250Xが39km/hでしたが、実燃費はXT250Xがもっとも良い数値でした。
用途次第では他の二台よりも使い勝手の良い相棒となり得る
町乗りレベルでいえば、三兄弟はどれも「快適」そのものです。所有している125ccスクーターよりも高速走行時の安定感があり、フルサイズの125ccスクーターと比べても車重がほとんど変わらないため、街中での小回りが非常に楽です。
大きめのバイクだと走り出したら目的地に到着するまであまりあちこち寄り道するのは面倒だったりしますが、ためらうことなく無く寄り道することが出来そうです。
公道を走行するのに適した性能を持ちながら、セローはちょっとした林道ツーリングや荒れた道を走るに適した性能を与えられ、トリッカーはトリッキーな技もこなせる性能を与えられました。
では、XT250Xはどんな個性を与えられたのか?と問われれば「さらに町乗りを快適にする性能を与えられた」といえます。あなたが林道や山道の走行に興味が無く、トリッキーな乗り方もしないというのであれば文句なしにXT250Xがピッタリです。
異なる三台の個性はあなたのライフスタイルに合わせて選べる選択肢です。250ccのエントリーユーザー向けバイクはスズキはネイキッド、他の三メーカーはレーシングレプリカタイプの車輌に力を入れており人気もありますが、ちょっとした峠道であれば扱いやすいXT250Xの方が快適に走れてしまうかもしれません。
XT250Xのエンジン音、マフラー音 各部詳細はこちらの動画でご確認下さい