一人暮らしの場合、老後の心配度合いは?
貯蓄の多い少ないによって、「老後の心配」は変わるものでしょうか。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」(2020年)の最新データ、「老後の生活についての考え方」より、老後の心配がどれくらい違うかについて比較してみました。ご自分の貯蓄額に近いものとあわせて、ぜひご覧ください。※当記事の「貯蓄」とは、「金融資産」全体のことをさします。また、例えば来月のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします。
貯蓄が増えるにつれて、老後の心配度が減っている!
「老後の生活(高齢者は、今後の生活)」において、「それほど心配していない」「心配である(多少心配・非常に心配)」という、心配の度合いについての調査結果を、貯蓄別に抜粋しました。●貯蓄100万円未満
それほど心配していない……10.9%
心配である……89.1%
→多少心配……36.2%
→非常に心配……52.9%★
●貯蓄500万円~700万円未満
それほど心配していない……14.2%
心配である……85.8%
→多少心配……41.7%
→非常に心配……44.1%★
●貯蓄1000万円~1500万円未満
それほど心配していない…17.0%
心配である……83.0%
→多少心配……37.5%
→非常に心配……45.5%★
●貯蓄2000万円~3000万円未満
それほど心配していない……24.4%
心配である……75.6%
→多少心配……46.2%
→非常に心配……29.5%★
●貯蓄3000万円以上
それほど心配していない……49.3%
心配である……50.7%
→多少心配……32.1%
→非常に心配……18.6%★
特に上記の★印をご覧ください。「非常に心配」と答えた人は、貯蓄が増えるにつれて、52.9%→44.1%→45.5%→29.5%→18.6%と、どんどん減っていることがわかります。
一方で、「それほど心配していない」と答えた人は、貯蓄が増えるにつれて、10.9%→14.2%→17.0%→24.4%→49.3%と、比較的増えていく傾向にあります。
老後の心配度は、貯蓄額が多ければ多いほど減り、貯蓄額が少なければ少ないほど増えるという具合に、反比例していることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
一人暮らしは、将来かかるお金のことも見据えておこう
一人暮らしで老後を迎える方は、夫また妻、子どもがいる方に比べると、家を借りるときや入院、手術が必要になったとき、介護を受けるとき、介護施設に入るときなど、家族の助けを得られない分、お金でカバーする機会が増えるものです。また、受け取る年金も、共働き夫婦の世帯に比べると、単純計算で半分になります。ところが、家賃や水道光熱費が半分になるわけではないので、基本的な生活費は、夫婦2人分の半分よりは、やや多めになります。
50代、60代で老後について考えるようになってから、「老後資金が足りない!」と慌てることになっては大変。できるだけ早いうちから、貯蓄を増やしておくと安心につながります。「老後資金」と限定しなくても、何にでも使えるように、貯めていく習慣をつけましょう。
ただし、若いうちからひたすら貯めることに集中し、「今」を楽しまないのはもったいないこと。「将来(老後)の自分」と「今の自分」、それぞれのバランスをとることを意識してみてくださいね!
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