貯蓄/貯蓄する基本の方法

貯められなくても、マネー情報弱者になってはいけない

お金が貯められない人に多いのは、お金の情報取得に消極的なこと。収入の多い少ないに関係なく、お金に興味がない、と言ってもいいかもしれません。しかし、お金が貯められない人こそ、マネー情報にもっと敏感になるべきです。どんなマネー情報を最低限得るべきなのか、お教えします。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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預金金利を知ることがすべての基本

お金に強くなる方法とは

お金に強くなる方法とは

銀行にお金を預けても、ちっとも増えない。というのは分かっていても、現在の普通預金金利が何%で定期預金が何%か答えられる人は少ないでしょう。

都市銀行や地方銀行の普通預金金利は0.02%。100万円を1年間預けても得られる利息はたったの200円。これから税金を引かれると受け取り利息は160円です。ペットボトル飲料を買って終わりです。定期預金も大して違いはなく、1年定期で年利0.025%。利息は250円(税引き後200円)。これでは、確かにいくらお金を預けても増えるわけがありません。

でも、同じ銀行でもネット経由の普通預金や定期預金だと金利が上乗せされ、中には20倍近い金利の定期預金もあるのです。特に地方銀行のネット専用定期預金では年利0.4%のところがあり、100万円預ければ4000円の利息。これを多いと思うのか少ないと思うのかで、自分のお金を大事にする気持ちが変わってくるはずです。250円の利息に甘んじるのか、4000円の利息を得るのか。どちらが自分のお金を大事にしているかは、わかりますよね。

世の中、おいしい話はありませんが、預金金利は全国一律でも、人によって差が付くわけでもないのです。情報をキャッチアップできた人だけが、人よりも有利な運用ができるのです。自分のお金を大切にしたい、少しでも有利に運用したい、という意識を持てるかどうかで、その後のお金の運用方法も変わってくるのです。

米国の利上げ見送りのニュースは他人事?

9月にも利上げか?と言われていた米国の動向ですが、結果的には9月中の利上げはなくなりました。これだけテレビや新聞、ネットでもその動向が注目されていたにも関わらず、米国のことだからと他人事のように思っていたとしたら、やはりお金に関する情報感度が弱いと言わざるをえません。

これだけ世界中で米国の利上げに注目が集まったのは、リーマンショック後、震源地であった米国が金融緩和を行い、景気回復に努め、世界の中でもっとも早く経済の立ち直りを見せていたからです。その最後の仕上げが利上げなのです。しかし、中国経済の不透明さから9月の利上げは見送られたわけですが、今後少なくとも年内には利上げされるとの観測は続いています。

米国が利上げすると、強い米ドルが戻ってきます。ドル買い円売りが加速され、円安に向かう可能性もあります。為替動向だけでは語れませんが、日本の輸出主体の企業の株価は円安になれば企業業績に反映されます。一方で原材料を輸入に頼るメーカーは、商品の値上げなどの対応に迫られるのです。

こうして考えれば、米国の利上げは他人事ではなく、私たちの家計に大きな影響を与えることがわかります。決して、スルーしていいニュースではないのです。

と、ここまで書いてきて、シルバーウイーク中に、VW(フォルクスワーゲン)の問題が浮上してきました。日米の株価は急落し、どこまで影響が出てくるのかという状況です。こうしたことも、自分は車を持っていないから興味がない、ではなく、日本の経済への影響、ひいては私たちの家計にも響いてくる、と考えるべきでしょう。

来年の税制改正で何が変わるかも知っておくべきこと

年末になると来年の税制での変更点などが話題になります。しかし、年末にましてや年明けに税制の変更点を知っても遅いのです。1年を通じて政治経済の動きは予定が組まれており、来年の税制、2年後の税制については、もう動き始めているのです。それが毎年8月末にまとまる各省庁からの概算要求です。

当たり前のことながら、省庁の運営はすべて税金で賄われています。その税金の配分を各省庁が要求するもので、その中に税制改正が必要な項目も含まれているわけです。

来年予定されている証券税制の変更は、すでに決定されており、施行が来年ということです。このうち大きな影響を与えるのが、「債券の税制変更」です。これまで株式と債券は異なる税制でしたが、来年から税制が統一されるのです。この時点で何のことやら?と言う人も多いかもしれません。

これまで公社債や公社債投資信託は、利子に関しては20.315%の源泉徴収はされていましたが、譲渡損益や償還差益に関しては非課税でした。これが、来年からはすべて20.315%が課税されるようになるのです。一方、株などと損益通算はできませんでしたが、すべて損益通算の対象となります。

身近な商品としては、外貨MMFを保有している場合、年内に売却しておくべきか、来年になってから売却すべきかを検討する必要があります。

外貨MMFで現在含み益が出ている場合、年内の売却であれば、売却で得た利益は非課税。これが来年になると20.315%の課税となります。一方含み損を抱えている場合は、年内に売却しても、他の利益と相殺することはできませんが、来年以降なら、株式などの売買で得た利益と損益通算することができるのです。この先、年末にかけての為替動向次第で、取引をどうするか考えておく必要があるわけです。

このように、税制も生き物で、毎年なにかしら変更が加えられています。配偶者控除がなくなり、夫婦控除が創設されるという話もでてきています。すべてが自分のお金に直結することです。

お金が貯められない人、貯められない時期であっても、マネー情報弱者にはならないように、情報感度は高めておくようにしましょう。

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