ヒンズー教徒にとっていちばん大事なお祭り、ディパバリ
ディパバリの2週間前ぐらいから、インド人タウンには、ディパバリグッズが多数売られている
マレーシア人口の約6%がヒンズー教徒。インド系民族の多数派を占める
ディパバリを象徴するモチーフは、ランプ
ディパバリに送るグリーティングカード。本国インドの神話によると、善の象徴であるクリシュナが悪に勝利した日、たまたま新月だったため、町は暗闇に包まれていた。そのため町の人はランプに火を灯して祝い、そこからオイルランプの灯が祭りの象徴となった
ディパバリとは“光の列”という意味で、“光が闇に勝利した”ことを祝うお祭りです。そのため、ヒンズー寺院や信者の暮らす家にはたくさんのランプに光が灯され、とても幻想的な景色になります。
伝統的なインド菓子を販売する屋台がずらり!
ディパバリに欠かせない伝統菓子。この時期、露店で自家製のお菓子を販売する人が続々現れる
子供用の服。お祭りに合わせて、キラキラと装飾の付いたものが多い
ただ、比較的静かな日本のお正月と違って、ディパバリは騒がしくて派手! ディパバリの前夜に鳴り響くのは、爆竹や花火の激しい音。ヒンズー寺院は花火のもくもくとした煙に包まれながら、「ハッピーディパバリ!」と祝うのです。
また、ピカピカに磨き上げた家やお店には、派手な飾りつけをします。可愛いパーティールームのように、キラキラと輝く電飾やビビッドな色使いのデコレーション。オレンジ、紫、黄色、緑などの色のパワーが、幸運の神様を家に呼び込むのです。
なお、ディパバリに向けて物を購入することは“縁起が良い”とされ、ゲンを担ぐ意味でも、この時期、新しい洋服や新しい電化製品などの購買に励むとか。町のあちこちでディパバリセールを行っているのは、このためです。もちろん観光客も購入OK。インド系の食器、パンジャビやサリーなどの洋服、刺繍の美しいインドの生地をお得な値段で買うことができます。
繊細で美しい米のアート「コーラム」
ライスアート「コーラム」。ショッピングモール、インド系スタッフの多いホテル、会社など、あらゆる場所で見ることができる
孔雀などが縁起のいいモチーフが描かれたライスアート。一見の価値があり!
コーラムは南インドから伝わった文化で、この場所に幸運が訪れますように、という願いが込められています。砂絵に似ていますが、お米を使うのが大切なポイント。理由は、お米を食べにやってくる鳥や蟻にも幸せのおすそ分けを、という意味だそう。自然と一緒に祝うお祭りなのです。
マレーシアのディパバリ。一説によると、本国インドよりもインドらしい文化がマレーシアに残っているとも。異国で暮らす民族のほうが、祖国をより深く感じたいと願っているのかもしれません。お祭り当日から3日間ほどは、インド系のお店はクローズしているので、旅行プランを決める際はその点だけご注意くださいね。