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視聴率は各局惨敗?夏ドラマで光った渋系俳優たち

今年の夏ドラマのキーワードは「低視聴率」?確かに視聴率的にはいまひとつのドラマが多かったものの、視聴者の心に爪痕を残した”渋系俳優”たちもしっかり存在していました。今回は舞台出身、個性的な演技でドラマに深みを与えた”渋系俳優”たちをピックアップしていきましょう!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

夏は外出の機会も多く、テレビ各局は秋の本気改編に向けて力を蓄える時期……と言われてはいるものの、それを差し引いても今年の夏ドラマは盛り上がりに欠けた印象。民放地上波で常に高視聴率をマークしたのは日本テレビ系列の『花咲舞が黙ってない』一作品で、あとは『デスノート』『恋仲』がなんとか平均視聴率2ケタをキープ。それ以外は数字的には惨敗という状況に陥りました。

しかし低調と言われた夏ドラマにも、視聴者のハートに爪痕を残した俳優はしっかり存在しています。今回はそんなポイントを踏まえつつ、夏ドラマで光った舞台出身”渋系俳優”たちをピックアップしていきましょう。


『リスクの神様』 小日向文世

夏ドラマで最も舞台系俳優の投入が多かったのはフジテレビ系列の『リスクの神様』。主演の堤真一をはじめ、小日向文世、吉田鋼太郎、森田剛、志賀廣太郎、満島真之助、古田新太、平幹二郎、田中泯と、レギュラーの男性主要キャスト陣は舞台出身か、舞台の出演が多い俳優ばかりでした。

企業のリスク管理のプロフェッショナルたちを描いた作品と言うことで、ストーリーは基本骨太。”親父パラダイス””枯れセンにはたまらない”と、多くの女性視聴者に言わしめた本作で特にその存在感を見せつけたのが白川専務役の小日向文世。

同時期にオンエアされたNHKの朝ドラ『まれ』の偏屈なシェフ・池畑大悟とは一味違った役作りで、笑顔の下に底知れぬ怖さを秘めた白川専務役を好演。改めてその存在感を示しました。

元々はデザイン系の専門学校に通っていたものの、怪我をきっかけに新劇の劇団・文学座に挑戦。が、オーディションには落ちてしまい、バイト先の社長の紹介で中村雅俊の付き人となって、23歳の時に串田和美氏主宰のオンシアター自由劇場に入団。以降、劇団が解散する1996年まで座内で主要な役を演じ、映像では2001年の『HERO』でブレイク。人の好い小市民から冷酷な極道まで演じられる演技力とそのキャラクターは唯一無二。

『リスクの神様』のキャストを改めて見返してみると、骨太シリアスモードではなく、こじゃれたコメディでいっても良かったんじゃないかと今更ながら思います(まあ、そうするとコンセプトから変わってしまう訳ですが)。このキャストに三谷幸喜氏が脚本を書いたら、最高に面白いドラマになったのでは?”枯れセン”視聴者の一人として「そっちじゃないんだけどな~」と微妙に歯ぎしりしながらも、渋系俳優たちの活躍から目が離せないドラマでした。

次のページでは五寸釘をぶち込むドラマ&小ネタで話題の深夜ドラマから渋系俳優をピックアップ!
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