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人気上昇中! 「スーパームーン」の魅力とは

近年人気が高まり、ネットでも話題にのぼるようになった「スーパームーン」。一体どのあたりがsuperなのでしょう? 多くの人を心をひきつけるスーパームーンの魅力を探ります。

執筆者:景山 えりか

スーパームーンの定義とは

「スーパームーン」とは、月が地球に最接近したとき(の前後)に生じる満月、もしくは新月のこと――といわれているのが、一般的な説。というのも、スーパームーンは天文学の用語ではなく、学術的な定義は存在しないからです。

私はスーパームーンという言葉を今から10年くらい前に知りましたが、当時を思い出すと、ネット上で話題になることなんてありませんでした。

ところが近年、「月が地球に最接近したとき(の前後)に生じる満月」という意味合いで「Supermoon」という言葉をNASAが使うようになり、関連情報や動画をインターネットで配信するようになってから、認知度がぐんと上がり、年々人気が高まってきたように思われます。

冒頭でご紹介したように、新月のスーパームーンもあるのですが、新月は目に見えないので、実感できる満月のときのほうが注目が集まるようです。

日本でも、満月のスーパームーンが近づいてくるとインターネットのニュースサイトでとり上げられたり、SNSで大きな話題になったりしますから、今やスーパームーンは、日食や月食、流星群などと肩を並べる注目の天体ショーのひとつ、といっていいのかもしれませんね。

それでは、多くの人の心をひきつけてやまないスーパームーンの魅力について、探っていきましょう。

魅力1. 月が地球に最接近

地球から月までの平均距離は約38万kmですが、月が地球を周回する軌道は楕円のカタチをしていて、月は公転しながら地球に近づいたり遠ざかったりしています。月が一番地球に近づくときは約36万km、一番遠ざかるときは約41万kmです。
月が地球に最接近したとき(の前後)に生じるスーパームーンは、いいかえれば私たちに一番近づいた状態の満月。むこうから近づいてきてくれたと思うと、月に対してなんだか親しみがわいてくる気がします。
スーパームーン

見かけの大きさがもっとも大きくなるスーパームーンは、見ごたえがあります!


魅力2. 明るくて大きい

月が公転しながら地球に近づいたり遠ざかったりしているということは、月の見かけの大きさは、地球に接近すれば大きく、遠く離れれば小さく見えるということ。
実際、スーパームーンと平均的な満月を比べると、スーパームーンのほうが約30%も明るく、約14%大きく見えるといわれ、これはかなりの迫力です!

魅力3. めぐりあわせのスペシャル感

月が地球に最接近したとしても、太陽・地球・月の順に天体が1列に並ばないと満月にはなりません。そう、肝心なのはタイミング。
月が地球に近づくのと、満月のタイミングが一致するのは、満月14回ごとです(下記【スーパームーンの数え方】をご参照ください)。
スーパームーンは、星たちのめぐりあわせによって起きる特別なこと。そんなスペシャル感も、魅力のひとつといえるでしょう。

【スーパームーンの数え方】
スーパームーンの次に巡ってくる満月を1回目と数えたら、14回目の満月が次のスーパームーンになります。
(例)
2015年9月28日(スーパームーン)
1回目:2015年10月27日(普通の満月)
2回目:2015年11月26日(普通の満月)


14回目:2016年11月14日(次のスーパームーン)

とはいえ、もともと天文学的定義が存在しないスーパームーンですから、月が地球に最接近した時刻と、月が満月を迎える瞬間時刻の隔たり具合に、かなりの幅があるケースも。

2014年、NASAはなんと3ヵ月連続でスーパームーンになると発表しました。このニュースをNASAのサイトで目にしたとき、「えっ、そうなの!?」と少し信じられない気持ちになったのを覚えています。
日本時間では、1回目が2014年7月12日、2回目は8月11日、3回目は9月9日。月の地球最接近と満月の時間差をしらべてみると、8月は30分未満でしたが、7月と9月は20時間以上の差がありました。1日(24時間)以内なら許容範囲ということなのでしょうか。このあたりは賛否両論がありそうな気がします。

2015年のスーパームーンは9月28日!

さて2015年。月が地球にもっとも近づくのは9月28日(月)午前10時46分頃です。月と地球の間は約35.7kmにまで縮まります! そして、太陽・地球・月の順に天体が1列に並んで満月を迎え、スーパームーンになるのが午前11時51分頃です。そう、残念ながら日本では昼間にあたるため、スーパームーンの瞬間は見られません。

でも、がっかりしないで見方を変えてみましょう。
皆既月食とスーパームーン

NASAによれば、次にスーパームーンと皆既月食が重なるのは2033年だそう


欧米やアフリカといった大西洋方面では、スーパームーンと皆既月食が重なります。地球の裏側で大注目を浴びながら、地球の影の中を通り抜けて再び輝きをとり戻したその月は、28日の夕方、東の空から昇ってくるのです。

地球は自転しているので月を見るタイミングは自分の居場所(国や地域)によって違ってしまいます。けれど、目線の先にある月は、宇宙広しといえど、地球にとって、私たちにとって、たったひとつ。地球のみんなと、宇宙を共有するようにして月を眺める。いや、眺めずにはいられない。そんな気持ちにさせられるところこそ、スーパームーン最大の魅力なのかもしれません。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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