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鈴鹿F1日本グランプリの「お祭り」的な魅力(2ページ目)

鈴鹿サーキットで今年も開催される「F1日本グランプリ」。近年は観戦環境もイベント内容も充実して、レース以外の楽しみ方も増えています。お祭りとして全国のファンに愛される理由とは何でしょうか?

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

鈴鹿F1は年に1度のお祭り!

毎年レースが終わると観客動員数がどうのこうのというニュースが報じられますが、常にF1日本グランプリに来場するファンにとってみれば、あまり関心のないニュースかもしれません。

なぜなら、鈴鹿のF1は単にレースそのものを楽しむスポーツイベントを超えた「お祭り」に近いものだからです。実際にファンに話を聞いてみると、2009年に初めて鈴鹿で現地観戦した30代の女性ファンは初観戦以降、毎年、鈴鹿に訪れているそう。毎年通う理由を「サーキットでの観戦は、音や臨場感などテレビで味わえない迫力がある。年に1度、鈴鹿に来るのは特別な感覚」と語ります。
ライコネン

F1日本グランプリ(2014年) 【写真:MOBILITYLAND】


特別な感覚という意味では、鈴鹿に来場するファンが作り出す雰囲気も大きく影響しているでしょう。F1ではブーム期の頃から、チームシャツやブルゾンなどF1関連のアパレルに身を包み観戦するのがファンに定番化していますが、F1の公式ウェアはシャツだけでも1万円以上するものが多く、かなり高額です。それが近年ではオリジナルで自作したチームウェアを可愛く着飾って来場する女性ファンも多く、ファンがそれぞれのカラーでコスプレして楽しむ姿が目立ちます。

また、ぬいぐるみに自作の衣装を着せて持参するのも最近の密かなブーム。こういった自作のウェアやグッズで応援する姿は海外の関係者に珍しく映るようで、ファンが思い思いに楽しむ姿は日本グランプリの大きな特徴と言えます。

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自作のぬいぐるみを持つ女性ファン 【写真:PIRELLI】


充実するイベント。年に1度を心から楽しむ

自作のウェアを作ったりしてファンがそれぞれに個性を出す傾向は、長い日本グランプリの歴史の中で自発的に生まれてきたものだそうです。年に1度の鈴鹿だからとことん楽しもうというファンの声に応える形で、近年では「サポーターズコンテスト」というイベントがステージ上で開催され、ファンがそれぞれの衣装や応援する姿勢を競いあいます。こういうレースそのものとは全く異なる趣向の楽しい時間があるのも「お祭り」感覚の大きな要素でしょう。

サポーターズコンテスト

サポーターズコンテスト 【写真:MOBILITYLAND】


また、鈴鹿サーキットではレースウィークの木曜日に開催される「ピットウォーク&サイン会」が人気です。まだ準備中のピットに訪問し、F1チームに近づけるピットウォークは年に1度、鈴鹿を訪れるファンにとっては特別な時間。これは観戦チケットを持っていれば無料で楽しめます。

また、同じ木曜日の「サイン会」もドライバー全員が参加し、ファンと交流する貴重なイベント。ブーム期にはこういうファンとの交流イベントは行われておらず、鈴鹿サーキットの提案から始まり、やがてF1のイベントとして定番化し、今は多くのグランプリでこういうファンサービスイベントが行わるようになりました。

さらに、木曜日は「ピットウォーク」に加えて、東コース区間のコースを散歩できる「東コースウォーク」が開催されます。普段でもなかなか歩く機会のない国際レーシングコースを歩けるチャンスとあって、多くのファンが参加します。ドライバーがコースチェックのためにコースを歩く時間でもあるため、コース上でドライバーに遭遇することも。

ピットウォーク

F1ピットウォーク(2014年) 【写真:MOBILITYLAND】


そして、今年の土曜日の前夜祭には「フェラーリ」のドライバー、キミ・ライコネン、セバスチャン・ベッテルの2人が登場予定。フェラーリの現役ドライバーがファンサービスのためにレース前日に出演するなんて前代未聞! こうした企画が可能なのもファンと共に歴史を重ねてきた鈴鹿サーキットならではであり、何よりドライバーたちが日本のファンとの時間を楽しんでいる証拠といえます。

リピーターを生む楽しいイベントはこの他にもまだあります。

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