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鈴鹿F1日本グランプリの「お祭り」的な魅力(3ページ目)

鈴鹿サーキットで今年も開催される「F1日本グランプリ」。近年は観戦環境もイベント内容も充実して、レース以外の楽しみ方も増えています。お祭りとして全国のファンに愛される理由とは何でしょうか?

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

レース後の月曜日は撤収作業を楽しむ

「年に1度の鈴鹿だから」というファンの思いに応えるかのように、鈴鹿サーキットは年々イベントを充実させてきました。それらがファンの「特別」な感覚、「お祭り」の雰囲気を作ってきたといえるでしょう。

レース後の月曜日には「F1ファンミーティング」と題してトークショーなどが開催されるのが定番になっています。このアフターイベントにも多くのファンが訪れます。ピットではちょうど撤収作業が行われている時間ですが、F1の残り香を楽しみながら、イベントで余韻に浸ってファンは帰路につくわけです。

考えてみれば、設営から撤収までファンが楽しむスポーツイベントなんて他にあるでしょうか?野球でもサッカーでもここまでとことんファンサービスをするイベントは無いでしょう。まさに何から何まで楽しみたいというファンの気持ちを汲み取ったイベント、それがF1日本グランプリなのです。

これからのファンを作る努力

今年はワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルが初めて「フェラーリ」のドライバーとして鈴鹿に登場しますし、女性にもとにかく人気の高いキミ・ライコネンとのコンビとあって、鈴鹿サーキットがフェラーリレッドで溢れる週末になりそうですね。
ベッテル

フェラーリから参戦するベッテル 【写真:MOBILITYLAND】


今は多くのリピーターに支えられる「F1日本グランプリ」ですが、地上波のテレビ放映がない現状や、日本人ドライバー不在、日本メーカーの不調は新たなファン獲得という意味では厳しいものがあります。応援の対象が増えなければ、ファンも増えませんから、ホンダの活躍、実力のある日本人ドライバーの登場を望みたいところです。

しかし、待っていてもファンは増えませんから、鈴鹿サーキットも新たなファン獲得のための努力を惜しみなく続けています。その一つが夏の花火でのF1デモ走行。最近の鈴鹿サーキットは遊園地「モートピア」が家族連れに人気で、夏休みに連日開催された花火大会では90年代のF1マシンを花火打ち上げの直前に走らせました。また、花火後には家族連れの前でF1のエンジン始動や写真撮影会を実施し、人気を博していました。

花火undefinedF1

花火後のF1エンジン始動イベント


「年に1度のF1日本グランプリ」ですが、近年は様々な制約も加わり、F1関連のものに触れる機会が少ないのも事実。そんな中でも、目的は遊園地だった花火だったというレジャー客にホンモノのF1を見せて、目を向けてもらうキッカケにする。これぞモータースポーツの聖地、鈴鹿サーキットならではの取り組みではないかと思います。

SUZUKAには世界の他のサーキットにはないモノや演出がある。これぞファンにとって鈴鹿が特別である最大の理由ではないでしょうか。いよいよ今年もF1世界選手権の中でも特別な1戦、鈴鹿の「F1日本グランプリ」が始まります。

F1日本グランプリ公式サイト

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