「ぼくはぼく!」「わたしが一番大事!」の2~3歳児
どんどん主張が強くなる2~3歳代
無理強いでは言うことを聞かず、ある程度その子の力やなりゆきを見守る必要も出てくるので、叱り方についても悩む時期です。
まず、2~3歳という時期の子どもの特徴を考えてみます。多くの子が、2歳代後半ごろにはだいぶおしゃべりが上手になってきます。自分という存在をはっきりと意識し、「ぼくはぼく!」「わたしが一番大事!」という気持ちも大きくなる時期。自分の気持ちを必死に身近な人たちに伝えますが、まだ、やりたいこととできることの間には大きな差があるので、そのはざまで葛藤してかんしゃくを起こすことも。注意されてもまずは「いや!」と言ってみたい年頃でもあります。
2~3歳児を叱るポイントは?
こんな「自分大好き!」の小さな子を叱るのは、かなりのエネルギーを使うものです。そもそも、なぜ子どもを“叱る”場面が出てくるのでしょうか。この時期はまず、親としては、目の前の「危険なことを避ける」「お友だちと仲良くすごせるように」といった思いが中心でしょう。その中には、「健康や安全に気をつけて、周りに迷惑をかけないで生きていけるようになってほしい」という願いが込められているのではないかと思います。我が子が成人して自分の行動に責任を持って生きいけるようにということが子育ての大きな目標であるとすれば、2~3歳の時期は、そのためのルールを伝えていくはじめの一歩の時期なのですね。0~1歳の頃の、「危険やトラブルを伴いそうなものは大人が事前にできるだけ遠ざけておく」という段階から、「見守りつつ危険やタブーを伝えていく」段階に入っていきます。
例えば、手をつないで歩いていた1歳児が車道の方にググッと飛び出しそうになったら、ギュッと手を引いて「ダメ!」「あぶない!」など短い言葉で厳しい口調で明確に伝えることが何より大切なこと。しかし、2~3歳児には、なぜ危ないのかを理解する力があります。危険から守ると同時に、どうしてダメなのか、なぜ危ないのかをお子さんがわかりやすい言葉で伝えてあげましょう。
親が見ていない場で起きた事への声がけの仕方
保育時間中のけんかなど、親が見ていない場でのお友だちとのトラブルを、先生から報告されることもあるでしょう。長い時間すごすお友だちとは、つながりが濃いからこそけんかもよく起きますが、その中で人にされたらいやなこと、嬉しいことを学んでいきます。まずは保育時間中の先生の対応に任せてください。2~3歳の子が、昼間あったことやその時の気持ちを正確に親に伝えることはできません。先生から口頭や連絡帳で報告を受けた場合、子どもに対しては、「今日はお友だちとけんかしちゃったのかな。明日は仲良く遊べるかな」などど、明日につながる声がけをしてみましょう。我慢や譲り合いは、まだ難しい
譲り合いが難しい年ごろでもあるけれど、少しずつ相手の気持ちを想像できるようになっていきます
この年頃に、我慢や譲り合いをするのはまだまだ難しいことですが、それは「わがまま」ということではありません。子どもは取り合いをしてけんかをしたり、泣いたりする中で、自分の気持ちに折り合いをつけていくことを学んでいきます。まずは激しいけんかにならないように親が見守ること。取り合いが始まった時に「それは○○ちゃんが使っていたものだよ」「はいどうぞ、ってできるかな」など言いきかせることも大事ですが、ひとたび気持ちが高まって泣き出した時に言い聞かせても子どもは受け入れることができません。そんなときは延々と叱り続けるより、いったん双方を引き離したり、抱っこして少しその場を離れて見る、ほかのものに気が向くよう声がけしてみるなどの対応を。気持ちが落ち着くと、他の遊びをし出したり、さっきは渡せなかったおもちゃをお友だちに渡せたり、貸してあげたりすることができる場合もあります。
>>>日常生活のルールを伝えていくためにできること