悪いイメージを連想させる名前はある
良かれと思ってわが子につけた名前が……
A:名前が別の言葉と同じになることはよくあります。たしかに人城(ひとき)という言葉は棺(ひつぎ)を意味します。だからと言って、あまり知られていない言葉であれば、社会生活で困るようなことはないでしょう。
ただちに別の連想につながるかどうかがカギ
日本語には同音異義の言葉が多いので、名前の中にはよく聞けばほかの言葉にも聞こえる、というものがあります。人気の名前の中では、フウカ(=風化)、レイカ(=零下・冷夏)、エナ(=胞衣)、リョウキ(=猟奇)、ユナ(=湯女)、モモ(=腿)、フミエ(=踏絵)、カンナ(=鉋)、ユリア(=尿素)などいろいろあります。
しかし、だからその名前をつけてはいけない、ということにはなりません。その名前を一般の人が聞いて直ちにそういう言葉を連想するかどうか、という視点で判断すればよいことです。その心配がなければ、社会生活で支障はありません。とくに世の中に多い名前で、だれが聞いても違和感なく人の名前に聞こえるなら、問題はないでしょう。
文字の場合はズバリその意味になる
名前の音が別の言葉と同じになるのとは異なり、名前の文字そのものが別の熟語と同じになる場合は要注意です。見た目ではっきりその意味を思い起こすからです。これも、多くの人に知られた熟語であるかどうかがカギになります。たとえば最近多い大夢(ひろむ)という名前は、ダイムと読む熟語でもあり、迷いの人生を意味します。沙弥(さや)という名はシャミと読む熟語で、僧侶の意味です。風樹(ふうき)という名前は、どうにもならない状態をあらわします。ただ、これらの熟語を知る人も非常に少ないので、他人からヘンに思われるということもあまりないでしょう。
しかし知られた熟語になることもあります。たとえば、以下のような名前は熟語であることを知る人も多いですから、つける際はその覚悟がいります。
里子(さとこ)=サトゴ(よそへあずける子)
早世(さよ)=ソウセイ(若死に)
心太(しんた)=ところてん
達磨(たつま)=だるま
海月(みづき)=くらげ
海馬(かいま)=たつのおとしご
海星(みほし)=ひとで
心音(ここね)=読み方が正しくありませんが、最近多い名です。心臓の音を意味する医学用語でもあります。
心空(みそら)=うわのそら
空音(そらね)=うそ
春夢(はるむ)=はかなさ
亜子(あこ)=次男
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