オール電化住宅/オール電化住宅の実例・入居者の声

オール電化が変える住空間デザイン【実例(2)】(2ページ目)

オール電化がどのように住空間を変えるのかの4回目。今回は実例を基にした電化設備全般についてです。

執筆者:粕谷 奈緒子



普段は間仕切りを開けて・・

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引戸で仕切られたスペースの右側奥に見えるのが寝室。普段は開け放っておけば風通しもよいのです。

最後に、「M邸」の空間をもう一度見ていきましょう。
家の新築を考えるときには、つい寒い冬や、暑い夏のことだけを考えて、部屋を壁やドアで細かく分けてしまいがちです。けれども四季の明確な日本には、冷房も暖房もいらない「中間期」があります。また、断熱性の良い家では、夏や冬でも設備に頼らずいられる期間は意外にあるものです。
また、寝室のようなプライベートスペースは、必ずしも、いつも完全に独立している必要はありません。普段は開け放っている方が風通しが良くなり、見通しも良いので家が広く見えます。

 



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引戸のレールは、フローリングに埋め込んであるので目立たず、つながりを分断しません。

「M邸」はこうした観点から、寝室の扉は全て引戸にして、普段は引戸を袖壁の中に引き込めるようにしています。陰になって直接は見えなくても、家族の気配が隣の部屋からも何となく分かるようにしているのです。

互いにつながった空間を鴨居(かもい)や敷居が分断してしまわないよう、引戸を天井一杯の高さにして、引戸を開けると天井がつながって見えるようにしたり、レールを床のフローリングに埋め込んで目立たないようにするなど、ディテールにも工夫がしてあります。

住まいの主役は住み手と自然光

住まいの主役はそこで生活する住人であり、住まいの空間はそこに差し込む光が作るもの。家はあくまでも、住人や光の背景です。白く統一された壁・天井や、淡く染色して主張を抑えた無垢材のフローリングは、住み手や家具、そして太陽や照明の明かりが引き立つように、注意深く、素材と組み合わせが選ばれています。

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家中が中庭と空に向かって開かれ、自然光の中で過ごせる「M邸」。バスルームも例外ではありません。


「M邸」は隣家が接近した住宅地に建っていますが、カーテンやブラインドを使わなくても、周囲の家からの視線を気にせず開放的に暮らせるように、窓は中庭と空に向けて開かれています。私たちは、高価な素材を使うことより、「自然光を存分に楽しめること」が、都会の住宅では本当の豊かさにつながると考えているからです。

現代の民家を目指したオール電化住宅、いかがだったでしょうか?これから年月を経て、この家がどのように育っていくのか、私たちも楽しみです。



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