オール電化住宅/オール電化住宅の実例・入居者の声

オール電化が変える住空間デザイン【実例(2)】

オール電化がどのように住空間を変えるのかの4回目。今回は実例を基にした電化設備全般についてです。

執筆者:粕谷 奈緒子

「現代の民家」を目標にした、室内が一体的なオール電化住宅「M邸」。今回は、「M邸」のオール電化設備や、室内の詳細をご紹介します。

「M邸」のオール電化設備は?

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玄関の土間は、そのまま中庭に通じています。

「M邸」は、約30坪の敷地外周に壁を建て、その内側に中庭を持った住宅です。道路から見るとほとんど窓がなく閉鎖的に見えますが、中庭に一歩足を踏み入れると、すべての居室が中庭に向かって大きく開き、リビングの高窓越しに空までが抜けて見えます。

「M邸」で採用したオール電化設備は、エコキュート、電気式床暖房、ヒートポンプエアコン、そして照明器具など。まず、エコキュートから見ていきましょう。




エコキュートのタンクは室内に

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エコキュートの貯湯タンクは、玄関脇に専用スペースを作って設置しました。

一般的にエコキュートのタンクは、建物の裏などの屋外に置かれていることがほとんどですが、「M邸」は外壁から敷地境界のブロック塀まで、40cm強の幅しかないため、タンクを置くことができません。

そこで「M邸」では、玄関土間の脇に設けられた納戸の中に専用のスペースを確保し、室内にタンクを設置しています。

以前ご紹介した「青梅の家」もそうでしたが、エコキュートを室内に設置する場合は、万一故障したときの搬出経路の確保など、設計に注意が必要です。その一方、機器や配管が雨風で汚れる心配がなく、温水の入ったタンクが断熱された壁に囲まれているなど、メリットもあります。割安な夜間の電気でお湯を作って貯めておくエコキュートでは、タンクが必ず必要になるので、敷地条件や、室内にちょうど良い置き場が確保できるかどうかなど、ケースバイケースでタンクの種類、設置場所を検討すると良いでしょう。

床暖房は?

「M邸」で採用した床暖房は、新日本石油の「ゆかいーな」という製品です。
この製品は炭素繊維に通電して発熱するタイプの電気式床暖房で、わずか9mmの薄さの中に、ヒーターだけでなく、裏面に熱が逃げるのを防ぐ断熱材まで組み込まれていることや、万一何らかの原因でヒーターの一部が断線しても、周囲の炭素繊維は発熱できるので故障の恐れが低く、長期的な信頼性が高いこと。そして、床暖房としては立ち上がり(発熱)が早いことです。

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床暖房対応の無垢材フローリングの床には、故障しづらく長期的に信頼でき、立ち上がりの早い床暖房を採用しました。


エコキュートを採用したオール電化住宅では、一般的には温水を通すタイプの床暖房の方がランニングコストは安いのですが、今回は住まい手の当面のライフスタイルとイニシャルコストの安さを重視し、この製品を採用しました。


リビングのエアコンは冷房を主眼に

次はヒートポンプエアコンです。前回の記事でご紹介したように、天井の高さが4,650mmもあるリビングルームは、空間が大きくてなかなか空気が暖まりにくいため、冬は床暖房の輻射熱を主に使いますが、夏は一般的なヒートポンプエアコンで冷房します。なぜ冬はダメなのに、夏はエアコンでも良いのでしょうか?

それは暖かい空気よりも、涼しい空気は下に分布する性質があるためです。このように吹抜けや大空間で、人がいる範囲を冷房する方法を、「居住域冷房」といいます。

この他には、二つある寝室は必要に応じて引戸で間仕切りできるようになっているので、それぞれにヒートポンプエアコンを備え付けています。仕切ってしまえばそれほど大きな空間ではないので、冷暖房とも一台の壁掛けエアコンで充分に対応できます。
つまり、この住宅では床暖房による「輻射暖房」と、エアコンで空気を冷暖房する「対流式冷暖房」を、そのときの必要に応じて使い分けている、ということになりますね。

もちろん、最近のエアコンは省エネかつ高性能になっていますので、たとえ広い部屋でも、夏冬通して1台で十分という場合もあります。

断熱性の高さと、設計の工夫で、いつでもどこでも快適な空間に! >次ページ

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