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俳優も事務所移籍でキャリアアップ『婚活刑事』(2ページ目)

芸能ニュースで事務所移籍というと金銭などのトラブルの話題になりがち。しかしそれだけではありません。一般の転職と同じようにキャリアアップのための事務所移籍というのもあります。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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若手発掘型:トライストーン・エンタテイメント

トライストーン・エンタテイメントの社長は古くは『太陽を盗んだ男』、最近では実写版『ルパン三世』のプロデューサー・山本又一郎。事務所のエースは取締役でもある小栗旬です。

事務所制作で2009年公開の『クローズZEROII』に出演した綾野剛は、主演の小栗旬から「いっしょにやろう」と誘われて移籍。翌2010年には『Mother』で虐待男、『GOLD』で隠し子、『セカンドバージン』で鈴木京香の息子役と立て続けに重要な役で連ドラ出演します。

個人的に綾野剛で印象深いのは2011年のNHK時代劇『新選組血風録』。第8話でマジメな勘定方だが実は居合の達人・長坂小十郎を演じています。新選組に引き入れてくれた先輩が不祥事で腹を切り、土方歳三(永井大)から「仇を討て、臆病者」と挑発されて、最終的には局長判断で止められても仇討ちをはたす武士らしい武士を演じています。この『新選組血風録』シリーズの中では抜群によかったエピソードでした。

2010年の三作では愛人・不良系の役が得意なのかな、と思っていましたが、『新選組血風録』でまったく違った面を見せてくれました。それから注目していると、2012年に『カーネーション』に出演しブレイクしました。

木村文乃もトライストーン移籍が転機になったひとり。2004年、16才の時に映画のオーディションに合格しヒロインデビューも徐々に低迷。やめようとも思ったこともあったが、2010年にトライストーンに移籍。山本社長から「頭が硬すぎる、一から崩さないとダメだ」といわれます。

アドバイスにより自分を変えてからオーディションに受かりだし、ドコモのCMで桑田佳祐との共演が話題になりブレイク、『マザー・ゲーム』で連ドラ初主演となりました。

 

キャリアアップ型:研音

唐沢寿明、山口智子、反町隆史、竹野内豊などで伸びてきた研音は移籍組も目立ちます。

菅野美穂がかつて所属していた事務所は、菅野美穂が所属タレントの第一号という新しいところ。『イグアナの娘』『愛をください』など主演もありましたが、男性主演の相手役がメイン。しかし、2006年に研音へ移籍した後は『わたしたちの教科書』『働きマン』など主演が基本になりました。

天海祐希は宝塚歌劇退団後、女優活動をしていた初期は売れてはいたものの、路線がさだまっていませんでした。

しかし2002年の『利家とまつ』で共演した唐沢寿明に誘われて2003年に研音入り。すると2004年『離婚弁護士』2005年『女王の教室』とヒット。男前・ボス路線が固まり現在に至ります。

調べていたら柴本幸も2014年に研音に移籍しているのに気がつきました。そういえば『ST 赤と白の捜査ファイル』『Nのために』『限界集落株式会社』、10月からは天海祐希主演の『偽装の夫婦』と出演が増えています。

研音は所属俳優に連ドラ主演を経験させて大きく育てることを得意とする事務所。柴本幸はデビューが大河ドラマ『風林火山』ヒロインという異例の抜擢をされていますが連ドラ主演経験はまだありません。果たして柴本幸主演は実現するのでしょうか。
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