京都で一度は泊まってみたい、憧れの町家ステイ
最近、京都での宿泊の選択肢として、とても人気が高いのが町家ステイ。高級ホテルや旅館の行き届いた「おもてなし」も良いですが、京都の町中に溶け込むようにして滞在し、人々の生活の息づかいを感じる、そんな宿泊体験をしてみたいという人が増えています。今回ご紹介するのは、今年(2015年)8月にオープンしたばかりの『京都 もやし町家』。場所は、西本願寺のすぐ近く、花屋町通りから油小路通りを、少し上ったところです。
町家ステイ『京都 もやし町家』
こちらの建物は、元々、酒の種麹の栽培所として使われていた建物。麹菌が成長する様子を春先に草花が"萌える"ことに重ねあわせ、種麹を「もやし」と呼んでいたのが、名前の由来だそうです。
建物内には、酒の種麹の栽培所として使われていた時代の名残りがある
一般的に京都の町家は間口が狭く、奥行きが「うなぎの寝床」のように長くなっています。これは、かつては間口の広さに応じて税金が課されていたことに対する人々の知恵。
中庭側からダイニングを眺める。ダイニングの向こうには奥庭が見える
『もやし町家』の間取りは、一階は広めの和室、板間、キッチン、中庭をはさんでダイニングという間取り。ダイニングの奥には奥庭があります。二階は茶室と板間のほか、檜のお風呂が設置されています。
■もやし町家 間取り図
http://kyotomoyashihouse.com/abouthouse.html
『もやし町家』を運営するのは、神奈川県の鎌倉市出身の池田姉妹と学生時代からの友人の奥谷さん。鎌倉でワークショップや教室などを行う『蕾の家』という古民家をリノベーションした施設を運営し、文化的な交流の輪を広げる活動をしてきました。
今後、より広く交流の輪を広げるための新たな拠点を持つにあたり、日本の古き良きものを活かし残したいとの想いを持つオーナーと共に古民家を探し、この物件にたどり着いたのだそうです。
池田姉妹の妹のさゆりさんに、京都の印象や『もやし町家』に込める想いなどをうかがってみました。
「京都に滞在していると、人々が京都という歴史ある街に生きていることにプライドを持ち、歴史や文化をすごく自然な形で継承している、ということを強く感じます。
『もやし町家』は、町家ステイのほか、企業のセミナー会場や合宿スペース、そのほか、各種イベントスペースとしても活用する予定です。その中で、人と文化を通じて地域がつながり、新しい何かが芽生える、そのような場所にしていきたいです。
この場所は、かつて職人さんたちが共同生活を送りながら、種麹を育てた場所。その意味でも、人々が集い、ともに何かを生み出すのに適したスペースだと思います。」
中庭
中庭と奥庭に面した扉を開いておくと、建物の中を風が吹き抜けていきます。かつて、この建物で育まれた種麹のように、この場で新しい"人の輪"やアイデアが萌芽し、風に乗って世界に広まっていったら素敵ですね。
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■もやし町家
住所:京都市下京区西若松町268(油小路通花屋町上ル)
TEL:075-708-3432
アクセス:京都駅烏丸口より徒歩14分 / 五条駅より徒歩8分
定休日:不定休
地図 → http://kyotomoyashihouse.com/access.html
ホームページ → http://kyotomoyashihouse.com/index.html
ホームページまたは電話で予約可能です。
町家ステイ料金については、施設に直接お問い合わせください。