スペイン語

スペインのジェスチャー! 「美味しい」を表すハンドサインとは

今回は、スペイン語初心者でも使えるジェスチャーやボディーランゲージをご紹介します。日本語のジェスチャーとは少し違うので、覚えておくと便利です。スペイン語に自信がなくても、ジェスチャーができれば、旅先で大活躍します。「美味しい」などの気持ちも表現することができます。

執筆者:吉澤 史絵

身体全体で、ジェスチャーも含めて話すスペイン語

スペインでジェスチャーを使いこなせ!

スペインでジェスチャーを使いこなせ!

スペイン語は日本語に比べてジェスチャーやボディーランゲージの多い言葉です。スペイン語上級者でも、ボディーランゲージを交えずに直立したまま話すと、つまらない印象を与え、まともに話を聞いてもらえないかもしれません。逆に、言葉が拙くても、スペイン人を真似して体を動かしながら話をすれば、きっと耳を傾けてもらえるでしょう。今回は、スペイン語初心者でも使えるジェスチャーをご紹介します。日本語のジェスチャーとは少し違うので、覚えておくと便利です。
 
<目次>
 

日本とは違う、話す距離の近さ

スペイン人と話すと、話している人たちの物理的な距離の近さに驚きます。知らない人同士でも、話に熱中してくると、息がかかるくらいの近さまで体を近づけて話し込みます。

特に、相手の外国人がスペイン語が上手ではないとわかると、腕を振り回したり、相手の肩を掴んだりして自分の言葉を伝えようとします。日本人からしてみれば、体の距離が近すぎると居心地が悪くなりますし、ボディタッチされてもスペイン語の理解が深まるわけではないのですが、言葉だけではなく体を使った表現は、伝えたいという強い気持ちを表しています。ジェスチャーやボディーランゲージが多いのも、スペイン人の「伝えたい」という心理がうみだしたものなのかもしれません。ちなみに、ガイドの経験では、話す距離が近づく傾向は南の地方の人ほど強いようです。
 

手を挙げるジェスチャー

質問があります。

質問があります。

まず、具体的にいくつかスペイン語のジェスチャーをご紹介したいと思います。スペインに語学留学した時に、先生に質問があるとしましょう。どのように手を挙げますか。大半の日本人は利き手をおずおずと肘から上に挙げるのではないでしょうか。スペインでは、利き手の人差指か利き手に持ったボールペンを挙げます。見慣れないと教師に対する礼を欠き、少し生意気な感じがしますが、教師と生徒の距離が日本よりも近い証拠でしょうか、スペインでは自然なジェスチャーです。
 

「私?」というときのジェスチャー

私ですか。

私ですか。

先生に当てられて、「私ですか?」という時のジェスチャー。日本では、利き手の人差指で顔の真ん中に指のが一般的ですが、スペインでは、胸を指します。

¿Yo?

私?
 

人を呼ぶときのジェスチャー

休憩時間、友人とコーヒーでも飲みに行きましょう。離れたところにいる友人を呼ぶには、手の甲を相手に向けて、自分の方に指を数回曲げます。日本と手の向きが逆になります。
このジェスチャーは、お店やバルで店員を呼ぶときにも使う人もいますが、この場合は、少し失礼な感じになるので気をつけましょう。

¡Oye!
ジェ!
ちょっと!
 

お勘定お願いしますというジェスチャー

お会計お願いします。

お会計お願いします。

コーヒーを飲み終えて、授業に戻らなければいけません。お会計を頼みましょう。日本では、左右の人差指を交差させるジェスチャーを使いますが、スペインでは、手をペンを持ったようにして、サラサラと紙に書く真似をします。

La cuenta, por favor.
ラ クンタ ポル ファ
お会計お願いします。
 

お金のジェスチャー

お金の話をしよう。

お金の話をしよう。

お勘定がきて自分の分を払おうとしたら、スペイン人の友人が財布を出し渋っています。スペインでは、一般的に割り勘文化がなく、よく一緒に出掛ける友人間では、日によって自分が全額払ったり、友人が全額払ってくれたりします。
それでも、何度も続けて自分が奢ったのであれば、今回は割り勘にしたいもの。言葉で言うときつくなるので、ジェスチャーで催促しましょう。お金を表すジェスチャーは、利き手の甲を上に向けた状態で、親指、人差指、中指をこすり合わせます。
 

「美味しい」というジェスチャー

美味しい?

美味しい?

会計も終わり、カフェを後にします。コーヒーと一緒に食べたケーキがおいしかったことをウェイターに示したいときには、利き手の全部の指で何かを掴むように萎めて、指先を口の近くに持っていき、キスをするような音を出します。このジェスチャーはかなり上級です、上手くできればきっと喜ばれるでしょう。
 

初心者の難関、dos besos

ボディーランゲージの一つとして、有名なdos besos(ス ソス)があります。人と会う時、分かれるときに左右の頬にキスをします。実際には、顔を交差させて、頬を近づけ、お互いに唇でキスをしているような音をたてるだけなのですが、たまに、本当に唇が頬に触れるときもあります。dos besosは、タイミングを計ったり、恥ずかしかったりと慣れるのに時間がかかるでしょう。

男女、女性同士の友人間では必ずと言っていいほど使いますが、男性同士ではあまり見かけません。ビジネスの場面でも、やはり男女間や女性同士ではdos besosをしたり、握手で済ませたりとその地方の習慣や、各人の習慣によって異なります。

ガイドは、dos besosに限らず、人と人との距離が近い南部都市のグラナダでスペイン語を学んだあと、北部都市バルセロナに引っ越したため、バルセロナに着いた当初は、TPOに構わずにdos besosをしようとして、相手が握手のために手を伸ばしかけているのに気付き、気まずい思いを何度もしました。
 

日本人の落ち着きにスペイン人は居心地の悪さを感じる

日本語は、比較的ジェスチャーやボディーランゲージの少ない言語であり、yes、noをはっきりしない曖昧さが西洋人にとって不可解な部分があるといいます。反対に、スペイン人はとにかくおしゃべりな人が多く、ジェスチャーやボディーランゲージが豊かなので、日本人が身体を動かさずに必要最低限の言葉しか発しないことに居心地の悪さを感じることがあるようです。スペインに行ったときには、あまり内容のない話でもかまわないので、とにかくジェスチャーなどを使いながら喋ってみるといいでしょう。

いかがでしたか。ジェスチャーやボディランゲージも広い意味では言語表現の一部ですので、ぜひ身につけて、スペイン語でのコミュニケーションを楽しんでください。


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