食と健康/調味料・ハーブ・スパイス

ドレッシングは健康に悪い?種類・適量・選び方

【管理栄養士が解説】野菜不足を補いたいときの生野菜サラダや蒸し野菜料理。健康的に思えますが、ドレッシングで塩分などの過剰摂取になってしまうことがありますので、適量を心がけることが大切です。ドレッシングの上手な選び方と適量、健康的で簡単なドレッシングレシピ、野菜中心の食事の是非について解説します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

ドレッシングの種類・一覧

主要なドレッシングの一覧

主要なドレッシングの一覧


まず、ドレッシングの種類について整理してみましょう。もちろん、これがすべてではありませんが、主だったものを一覧表にまとめました。これらのドレッシングは日本農林規格(JAS)にて規定されており、規格外のものは販売できないことになっています。
 

ドレッシングの適量……注意すべきは食塩量

サラダ

「野菜を食べよう! 」というけれどドレッシングのかけすぎも気になる……、そんなときどうしたらいいのでしょうか?


コンビニで売られている小袋入りのドレッシングは1袋で20~30kcal。油に溶けるビタミン脂溶性ビタミンが緑黄色野菜に多く含まれているため、油の入ったドレッシングをかけると吸収効率がよくなるという面もあります。そう考えていくと、エネルギー量を気にして美味しくはないと思いながら、ダイエットや健康のためにと、ノンオイルドレッシングを選ぶ必要はなさそうに感じます。

ドレッシングは食塩量が多く1袋2~4g程度の食塩が入っています。食塩の生理的に推奨されている摂取量は、1日2~3g程度。日本人は醤油や味噌を多用している食塩文化なので、2~3gでは味がぼけてしまうということもあり、高血圧学会などでは1日6g以下を推奨しています。また日本人の食事摂取基準でも女性は7g未満、男性は8.0g未満を推奨しています。1日3食の食事を摂るとすれば1食あたりに使える食塩は2g程度。仮にドレッシング1袋を全部使ったとすれば、他のおかずの味付けには塩分を含む調味料は使えなくなってしまいます。

ドレッシングの罪はエネルギー量よりも、食塩の摂りすぎにありそうです。食塩を基準に適量を考えるとしたら、小袋入りドレッシングの半分以下の量を目安にするのがよいと思います。
 

簡単で健康的な手作りドレッシングの作り方・レシピ

市販のドレッシングはどうしても食塩が多く、味付けが濃くなりがちです。そこで、どこの家庭にもある材料でできる、手軽なドレッシングの作り方を伝授します。基本のヴィネグレットドレッシングです。
 
  • 食物油(私はオリーブオイルで作ることが多いです) 30ml
  • 食酢(米酢、りんご酢、黒酢などお好みのもの) 20ml
  • 食塩                      少々
  • こしょう                    少々

これを混ぜるだけです。食物油と食酢の割合は、油のほうが少し多めであればOK。厳密にこの量でなくてもかまいません。食塩とこしょうは味を確認しながら加えてください。

これら4つの材料であれば、ほとんどの家庭に常備してあると思います。これに玉ねぎやパセリ、ピーマンのみじん切りなどを加えればオシャレなドレッシングの出来上がりです。

このドレッシングを作るのも大変である場合は、市販のドレッシングに食酢を加えて味を薄めて使うのもよいと思います。
 

「野菜中心の食生活なら健康的」は正しい?

また、「野菜中心」という言い方をすると、いかにも健康に気を遣っているように聞こえますが、そうではありません。

日本人の「主食」は米(パン、麺も可)であり、米が中心です。そこに「主菜」として肉・魚・卵・豆腐などのたんぱく質源と、「副菜」としての野菜があります。

野菜不足が生活習慣病の増加の一因であることは否めませんし、野菜を意識的にしっかり食べることは大切のですが、それでもやはり「主食」「主菜」を差し置いて、食事の中心に「野菜」があるという食生活は感心できません。

日本人らしいバランスのとれた食生活を送るよう、食塩の摂りすぎや料理の種類等を工夫してより健康的な食生活を送りましょう。
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