アウトドアウェディング成功のコツを伝授!
最近注目を集めているアウトドアウェディング。興味はあるけれど、どうやって実現させたらいいかわからないという人も多いよう。この記事ではアウトドアウェディングを成功させるためのノウハウを、アウトドアウェディングのプロデュースを手掛ける「Happy Outdoor Wedding」の柿原優紀さんに教えていただきました。
アウトドアウェディングをしようと思ったら、まずやるべきこと
自らの自由な発想でウェディングを作り上げることができるのがアウトドアウェディングの魅力。とはいえ、ふたりですべてを手配するのは大変なので、アウトドアウェディングを得意とするプロデュース会社やフリーのウェディングプランナーなどに相談するのがお勧めです。相談に行く際は、どんな場所でどんなウェディングをやりたいのか、あらかじめふたりで相談し、希望をまとめていくと良いでしょう。日程や招待客数、予算なども決めておくと話がスムーズに進んでいきます。
どんな場所が向いている?
アウトドアウェディングの場所として希望が多いのは、キャンプ場や公園、河川敷、湖畔、海辺などです。特定の場所を指定しないのであれば、プロデュース会社などに依頼すればふたりの希望に合わせていくつかお勧めの場所を提案してくれるはずです。お気に入りの場所や思い出の場所など特定の場所がある場合は、まずは結婚式を行うことができるのかを問い合わせ、許可を得る必要があります。プロデュース会社などに依頼すれば、このあたりの手続きなども一緒に行ってくれます。
「大切なのはその場所のルールを守ること。お祝いだから何をやってもいいというわけではありません。ルールによっては、自分たちがやりたい演出ができないということもあるのを理解しながら、屋外の魅力を最大限に生かして楽しんでください」(柿原さん、以下同)
平均的な費用はどれくらい?
費用の内訳は会場費(設営費)、料理・飲物、会場の装飾、衣装・ヘアメイク、招待状などのペーパーアイテム、演出のための費用、ギフト、プロデュース料などとなります。結婚式の規模や内容にもよりますが、総費用は200万~400万円くらい。高いと感じるかもしれませんが、100人規模の披露宴と考えればむしろ安いかも。手作りをしたり、自己手配を多めにすることなどで、費用は削減できるでしょう。なお、アウトドアウェディングでは、ご祝儀制よりも会費制で行うことが多いようです。会費は1万~2万円が一般的。ですから、ふたりの自己負担金は総費用から会費の総額を引いた額となります。
どれくらいの人数を呼べるの?
アウトドアウェディングでは広い空間で行うことが多く、比較的多くの人数を呼ぶことができるようです。「うちで手がけるウェディングでは、100名以上がほとんどですね。カジュアルなウェディングの場合は招待の仕方もラフで、会費などを明記した上で『よかったら参加してね』とお誘いするケースもあります」
なお、アウトドアウェディングはどうしてもカジュアルになりがちなので、親族へはレストランなどでの披露食事会を別途行うという対応をする人もいるようです。
どんな衣装を選べばいいの?
場所に合わせて動きやすいドレスを選びたいものです。裾がふんわりと広がったものよりは、裾を引きずらず、動きやすいものがお勧め。屋外で裾が汚れやすいので、汚れ対策も必須です。「ユーズドのリーズナブルなドレスをリメイクしたり、汚れてもOKというダメージ保障がついたドレスを借りる人が多いようですね」
もちろんドレスにこだわることはなく、場所に合わせた衣装でもOK。たとえば、山なら登山ウエア、海辺なら水着などをベースに、ウェディングらしいアレンジを加えても楽しいのでは? ドレスにビーチサンダルやスニーカーを合わせるだけでも、アウトドアウェディングらしさが出ますね。
ゲストへの告知で気をつけるべきポイントは?
アウトドアウェディングの場合、ゲストが最も気にするのは服装でしょう。「カジュアルな服装でどうぞ」といった書き方ではなく、もう少し具体的に説明したほうが親切です。たとえば、「キャンプ場の芝生エリアでのパーティになりますので、Tシャツ&ジーンズのような気軽な服装でお越しください。フラットな靴がお勧めです」といった具合です。「グリーンの色のものを身に着ける、ハートモチーフを取り入れる』などちょっとしたドレスコードを設定するのも楽しく、バーティが盛り上がります。
また、子どもや年配者、妊婦さん、障害をお持ちの方など何らかのケアを必要とする人が参加する場合は、対応できることと対応できないことを明確にして、相手に伝えておく必要があります。
会場までのアクセスについても、地図や文章で丁寧に説明しましょう。アクセスが悪い場合は、マイクロバスを手配するなどしたいものです。なお、ゲストからの質問を想定してQ&Aを用意して、招待状などに同封するのも親切です。
「どんな場所なのか、どんなプログラムなのかなど、通常の結婚式より詳しく具体的に告知しておくと、ゲストもイメージがつきやすいと思います。基本情報はしっかり伝えて、不安なく来ていただけるよう心配りをしましょう」
着替えなど、控室はどうすればいいの?
キャンプ場などでは屋内施設などもあり、控室を用意することができます。ただ、山の中など全くの屋外で室内施設がない場所では、テントなどを用意したり、近隣の屋内施設を借りるなどして控室を作る必要があります。ゲスト用の控室が用意できない場合は、招待状などで事前にその旨をゲストに知らせておきましょう。「会場と家が近い場合は、ご自宅でお支度をすることも。会場の状況に合わせて、さまざまに工夫するのがアウトドアウェディングの醍醐味といえます」
どんなプログラム&演出がお勧め?
セレモニーとパーティとの組み合わせが一般的。通常の結婚式はセレモニー→パーティという流れが一般的ですが、アウトドアウェディングではそれにとらわれる必要はありません。セレモニーを真ん中に持ってきたり、締めに行ったりしても面白いでしょう。演出はアウトドアらしいものを。たとえば、海辺の結婚式ならみんなでビーチバレーやビーチフラッグスを楽しんだり、キャンプ場ならキャンプファイヤーを行ったり、みんなで料理を作るなど、ゲストも一緒に参加でき、印象に残るものを考えてみましょう。
また、披露宴の開始時間自体を通常とは少しずらして、朝の公園でのパーティや夕日を眺めながらのセレモニーをするのも面白いアイデアでしょう。
雨天時に備えてBプランの作成を!
アウトドアウェディングにつきものなのが天候の問題です。当日、雨が降ったときのことを考えて、屋内でのプランも考えておきましょう。一般会場で行う結婚式よりも、自分たちで準備することや考えることが格段に多いアウトドアウェディング。でも、ふたりで一緒に結婚式の準備をすることで絆がより深まる、ゲストとのんびりリラックスして過ごせるなど、メリットもたくさん。ふたりらしい結婚式をと考えているのなら、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょう?
●取材協力
tarakusa株式会社 代表 柿原優紀さん
1982年生まれ、大阪・神戸育ち。英国Glasgow芸術大学を経て、京都精華大学芸術学部デザイン学科卒業。 出版社にて書籍や雑誌編集に携わり国内外の取材活動を行う。その後、編集事務所を設立し、日本の古き良き地域文化やくらしから学びを得たライフスタイルを提案する活動にシフト。2009年、「Happy Outdoor Wedding」を立ち上げ、D.I.Yの力を地域空間や資源に結びつける市民型結婚式づくりを東京を拠点に全国各地でおこなっている。2014年総務大臣賞受賞、2015年奨励賞受賞。
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