「夫婦は合わせ鏡」とは?
似ているから親しみを感じる。でも、ソックリとは限りませんよね?
ただ、二人がうまくいってない場合や、嫌な別れ方をした場合、「いやいや、私たち似てないから」と、この言葉を受け入れられないかもしれません。「あんな人と似てるんだ」と自己否定してしまう人もいるかもしれません。筆者も、離婚当初はこの言葉を拒否していました(汗)。
どのように解釈すればいいのか。極端な事例とも言える「ダメ夫と離婚した女性」たちの事例から、筆者の考えをお伝えしたいと思います。
夫婦は合わせ鏡=似ているという意味ではない
夫婦は似た者同士。と、言い切る方もいらっしゃいますが、そうとは限らないと筆者は思います。真逆の夫婦もたくさんいらっしゃるからです。「逆」というのも、何を軸にしたうえでの「反対」なのかという比較の難しさもありますよね。筆者は「ダメ男」と結婚して借金・暴力などに悩まされた挙げ句に離婚した女性たちのためのコミュニティを作っていたことがあります。そこに集う女性たちは、とても素敵な女性たちでした。もしも「夫婦はソックリ」ならば、彼女たちは、夫や子どもに暴力を振るう人だということになります。でも、彼女たちはむしろ「被害者になりやすい人」でした。
私の受けた印象としては、夫の腹黒さが70%のグレーだとすると、妻の腹黒さは逆に30%のグレーという印象でした。彼女たちは、どれだけダメ夫にひどい目に遭っても、その汚れを払い落として、子どものために前に突き進もうとしている明るいイメージだったのです。二人に共通点があるとしたら、「自己肯定感が低い」というところかもしれません。
夫や妻の大きな欠点……自分の欠点の芽、程度の可能性も
「合わせ鏡のような関係」って、色違い、柄違いでコーディネイトするみたいなものかも
趣味のためにカード払いで高額のショッピングをしてしまう夫と離婚したMさんの場合。彼女はギャンブルは一切しませんが、たまに衝動買いをするところがありました。「ダメだとわかっていてもやってしまう」というところは似ている、と捉えることができます。
転職癖のある夫と結婚していたSさんの場合。夫は、一年に3回も転職し、どの仕事も1~3ヶ月で辞めてきたそうです。夫ほどではないものの、Sさんもひとつの会社で3年以上働いたことがありません。
Hさんの夫は大手企業に勤めながらも、株に投資し続けて借金を作ってしまいました。彼女は株やギャンブルには興味はありませんが、結婚する前に感情に身を任せて不倫をしていたことがあります。感情に流されやすいところは似ていると捉えることができるかもしれません。
見栄っぱりで大盤振る舞いするクセのある夫と結婚していたKさん。Kさん自身は見栄っぱりとまではいきませんが、調子を合わせて知らないことも適当に頷いてしまうクセがあります。
夫婦から「自分の欠点の芽」に気づき、反省・成長する材料に
客観的に自分を見るために、そばにいる相手のなかに自分を見つけることは重要かもしれません
また、彼女たちのようにダークな一面を持つ相手を選んだということは、少なくとも「選んだ瞬間」には、彼女たちの中に、打算や疾しい(やましい)気持ちがあった可能性も考えられます。例えば「早く家を出たいから、さほど好きでもないのに結婚した」などです。
もしも、夫婦や恋人などパートナーの欠点が気になっているのであれば、「合わせ鏡」という言葉を参考に、一度、「自分のどこと似ているのだろうか」と考えてみる価値はあるはずです。そして、まずは自分が変わってみてはいかがでしょうか?
過去と他人は変えられないが
未来と自分は変えられる。
という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。自分が変わることで、彼のほうにも変化がある可能性もあります。
でも、「彼を変えるため」にという打算はなるべく手放して。あくまでも自分が変わり成長することを目標に。特に、ソウルメイトと呼ばれるような特別な関係であれば、あなたが「絶対に変わったほうがいい欠点」を映し出してくれている可能性が高いので、ワンランク上の新しい自分になれるかもしれません。
そうして自分が変わることができても相手が変わらなければ、自然な形で別れがやってくるかもしれません。相手も変われば、一緒に成長していけるいい関係になれるかもしれません。ただし、人の成長にはタイミングがあります。タイムラグがある可能性もあるので焦らないことが重要です。