なぜ大泉洋さんはホームとも言えるTEAM NACSの初日前会見で記者に「出入り禁止」と言ったのでしょうか。舞台の取材現場や会見のモロモロを交えながら考えていきましょう。
舞台の「囲み取材」とは
舞台関係の取材には複数のバージョンがありますが、今回TEAM NACSが行ったのは「初日前会見」と言われる「囲み取材」。「囲み取材」とは、マスコミ向けの映像や写真撮影、コメントなどを収録する時間を主催者側が設けるという取材形態です。「囲み取材」が行われるのは、主に初日の本番直前の時間か、ゲネプロと呼ばれる最終舞台稽古の前後が多く、出演者にドラマや映画などの映像媒体でも活躍する俳優さんがいる場合に設定されることがほとんど。「囲み」という言葉の通り、出演者の近くに記者やライターが寄った状態で話を聞きます。
当然ですが「囲み取材」での質問は、出演舞台に関することか、それに関連する内容で……がお約束。とは言え中には悪い意味でのチャレンジャー、もしくは空気を読まない、不勉強な方もいて、今回のように一つの質問から場の空気が固まることもまれにあったりします。
最初に問題になった質問は「初の東京公演ですが~」という記者の問いかけ(TEAM NACSはこれまでに何度も東京公演を行っています)。これは『悪童』が、各地での公演を経て”この日初めて”東京での公演を行い……という意味にも取れるので、ただ言葉足らずだったのかという気もしますが、これに対して大泉さんが場を和ませる返しをしたのに安心したのか、同記者が「(メンバーの)森崎博之さんは東京に来るのは珍しいですが」や「NACSは以前不仲だったという噂もありますが、その原因は大泉さん?」等、更に舞台の内容とは関係のない&方向違いの質問をぶつけ、それに対して森崎さんと大泉さんがプチコント(?)のようなトーク展開で場を沸かせるという流れの中で「君は次回から出入り禁止ね」と、大泉さんが該当の記者に冗談モードで告げたというのが事の顛末。
その後、現場にいた別媒体の関係者が大泉洋さんのサービス精神と機転から出た一言を大きく取り上げ、この発言が記事化されたという訳です。
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