『経世済民の男』。NHK放送90年ドラマとして明治、大正、昭和の日本の発展を支えた三人の経済人を描く企画。まずは「日本のケインズ」と呼ばれアベノミクスも経済政策の参考にしたとよばれる「高橋是清」の前後編が終わりました。


新国立競技場も手がけてほしい

大酒を飲み、芸者遊びで散財する一方で相場を知るために自ら仲買店を開く型破りな人物「高橋是清」。その経済政策が机上の空論ではなく実体験に裏打ちされた経済政策を売ったことがわかります。

英語教師時代の教え子・辰野金吾(林遣都)とコンビを組んで日本銀行本店の建築費用を適正化するエピソードは新国立競技場問題とリンクしてタイムリー。飄々としたオダギリジョーの演技も魅力的で、おもしろい人でした。

 

おそれ多い?

続いて9月5、12日の前後編で取り上げられる「小林一三」。阪急電鉄の創業者で乗客を増やすために、沿線の不動産を開発、遊園地や野球といったレジャー事業、ターミナル駅に百貨店、東宝や宝塚歌劇など文化事業、と次々と展開する私鉄経営のモデルを作り出しています。

興味深い人の割にはドラマや映画ではほとんど取り上げられたことがありません。身内の東宝、阪急阪神ホールディングスが大株主のフジテレビや関西テレビにはおそれ多すぎて取り上げにくく、他のところは遠慮があったのでしょうか。

ところが昨年の宝塚歌劇100周年をうけて、今年1月にフジテレビが「101年目のタカラヅカ」を放送。八千草薫・真矢みきの対談を軸にしたドキュメンタリーの中に小林一三再現ドラマがありました。そして今回の『経世済民の男』になります。

 

vs.岸信介

「小林一三」の回で取り上げてほしいのは政治家としての側面。1940年、第二次近衛内閣に商工大臣として入閣。ここで統制経済を進める官僚の岸信介と激しく対立します。NHKの報道は最近安倍政権よりだといわれます。ここで安部総理祖父の岸信介との戦いを描き、意地を見せて欲しいところ。

『経世済民の男』はNHKの東京(高橋是清)、大阪(小林一三)、名古屋(9/19放送の松永安左エ門)の3局のドラマ部が競作というめずらしい企画。経営陣が近くにいる東京と違って遠く離れた大阪からなら、違うことができるんではないかと期待しているのですが。