パステルカラーにご当地デザイン…婚姻届がカワイく進化
今、婚姻届が多様化しています。結婚情報誌『ゼクシィ』の付録として登場したピンクの婚姻届に端を発して、キャラクターものやご当地ものの婚姻届がたくさんリリースされ、今や有料サービスを展開する企業も出るほど。なぜ婚姻届がカワイくなっているのか? それは婚姻届の提出の際に記念写真を撮影することが定着したからだと思います。正直なところ、役所でもらえる届出用紙はお世辞にも華やかとは言えません。せっかく写真撮影するならカワイイもので! という女子の心をつかんでいるのがこれらの婚姻届なのです。
カワイイとまち起こしが一体化、「まちキュンご当地婚姻届」
単にカワイくしただけでなく、行政との取り組みでリリースされたケースもあります。その一例が、株式会社リクルートマーケティングパートナーズが提供している「まちキュンご当地婚姻届」です。ウェブサイトからアンケートに回答すると、好きな県や市の紙をダウンロードできます。それをA3用紙に印刷して使用します。どの用紙でも自由に選べるので、出身地、これから暮らす県や市、好きな場所など、二人の気持ちに合ったところを選ぶことができます。
ダウンロードデータには提出用と保管用、2つのデザインが含まれています。保管用は披露宴の際に飾ったりしてもいいですし、人前式なら証明書代わりにしてもいいですね。これから夫婦で生活していく土地ならではのデザインは地元意識を大いに高めてくれるはず。愛着をもって新生活を始めてほしいという想いも込められているのですね。
入籍が「手続き」から「セレモニー」に
結婚式をしないカップルが増えていますが、その場合は婚姻届の提出が夫婦の最大の、そして唯一の節目となります。「手続き」という事務的なものではなく、「セレモニー」として、また結婚を象徴することとして考えるカップルもそれだけ増えているはずです。だからこそカワイイ婚姻届が増えているわけです。また、結婚式をするカップルでも入籍はもっと前に行うケースが増えており、挙式とはまた別の記念日として、以前よりも重みが増しているとも言えます。海外で行われている役所でのセレモニーと似たものを感じますね。
ご当地キャラの記念撮影用パネルを役所に設置
同じく、ご当地ものの婚姻届としてリリースされた群馬県の「ぐんまちゃん婚姻届」は、群馬県内のブライダル企業で組織する「ぐんまウェディングチーム」の企画によるものです。用紙の制作に引き続いて取り組みが進んでいるのは、婚姻届の提出時に記念撮影をしてもらうための各市専用のパネルの設置です。パネルは、県のキャラクターである「ぐんまちゃん」と各市のキャラクターが並んだデザイン。設置第一号の前橋市の場合は「ころとん」があしらわれています。
地元で生まれ育った男女が、地元で結婚し、生活していく。都市部にない高い地元意識を持つ地域であればこそ、婚姻届の提出を人生の節目の一つとして考える人はより多いかもしれません。また、若い年齢での結婚も多い地域であれば、結婚というものをより楽しいものとして捉えてもらう効果もありそうです。
入籍が思い出のイベントになれば、その後の結婚生活もうまくいく!?
海外には、役所が挙式を行う機能を持っているところも多くあります。これは、法律上挙式をしないと婚姻が認められない国や州が多いということもあるのですが、簡単にリーズナブルに挙式できる良い仕組みにもなっています。日本においても、入籍というカップルの大きな節目を行政が一緒に盛り上げるようになると、結婚する人が増えたり、役所とカップルの距離も近くなって、その後の出産や育児も含めた生活についてのサポートもしやすくなるのではないかと思います。
カワイイ婚姻届をきっかけに、一組でも多くのカップルが夫婦として歩みだす節目を楽しく迎えてほしい。そこから、結婚を楽しいものと捉える人が増えたり、さらには結婚式もやりたい! と考える人が増えたら、ウェディングプランナーの立場としてはとても嬉しく思います。
【写真提供】
■ゼクシィまちキュンご当地婚姻届(株式会社リクルート)
■ぐんまちゃん婚姻届(ぐんまウェディングチーム Facebookページ)
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