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「私が40歳で辞めたこと」第4回:杏仁美友さん

All Aboutの女性ガイドが、専門家としてだけではなく“一人の女性”として、キャリア観や女性の生き方について語る連載企画「私が40歳で辞めたこと」。第4回は、All About漢方・薬膳料理ガイドの杏仁美友さんです。

執筆者:All About 編集部

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杏仁美友さんが40歳で辞めたこと
  • ワクワクしないことやものに手を出すことをやめた
All Aboutの女性ガイドが、専門家としてだけではなく“一人の女性”として、キャリア観や女性の生き方について語る連載企画「私が40歳で辞めたこと」。第4回は、All About漢方・薬膳料理ガイドの杏仁美友さんです。
杏仁美友さん

夏に名古屋で開催した、薬膳野菜寿司実習の様子。シャリの握り方から丁寧に指導。

今回お話を伺うのは、漢方や薬膳の知恵をわかりやすくメディアで伝え、「漢方&薬膳の宣伝マン」としてご活躍されている杏仁美友さん。2011年に一般社団法人薬膳コンシェルジュ協会を立ち上げ、代表理事を務めながら、薬膳コンシェルジュの資格取得のための講師として薬膳の奥深さを後輩に伝授されています。2015年春には、日本初の薬膳茶エバンジェリスト認定講座を開講。近著「いたわりごはん。」が好評発売中です。

一個人である私の話に、耳を傾けてくれるのか?

「自分の体調不良を漢方と薬膳で改善できたことをきっかけに、漢方や薬膳の資格を取り、30を過ぎてからこの道に入りました。国際中医師という資格をとり『漢方と薬膳を広めたい!』とは思っていたものの、当時はドクターや薬剤師さん以外で漢方の話をしたり、栄養士さん以外で薬膳を広めている人がおらず、一個人である私が発信することに『耳を傾けてくれるだろうか?』『興味を持ってくれるだろうか?』と自信が持てない時期もありました。

でも、そんなときにオールアバウトの漢方ガイドとしての仕事が始まり、『とてもわかりやすい記事で漢方が身近に感じられた。お医者さんではない目線がかえって良かった』と担当編集の方に言ってもらえて、『これからも私らしく、生活者の目線で漢方や薬膳を広めていこう!』と決意できた気がします」


現在多方面でご活躍されている杏仁さんですが、30代で漢方・薬膳の世界に飛び込んでからしばらくは、自分に自信を持てない時期もあったようです。

「そして、38歳で社団法人を立ち上げたのが一つのターニングポイントとなりました。当時は『40歳までに……』という想いはありませんでしたが、今思うと40歳までに後進を育てる制度やフィールドを作れたことが、現在につながっています。30代の間に、責任をもてる仕事を自分で選んだのは、今後の自分の人生において重要な決断でした」

30代前半に比べて、30代後半のご自身については力強さを感じさせる言葉で綴っています。30代で足場を固め、40代でさらに花開く……女性のキャリアにとって重要なステップを踏んできたからこその、重みのある言葉です。

その後の40代のキャリアをさらに研ぎ澄ますため、杏仁さんが自ら辞めたこととは何だったのでしょうか?

残り半分の人生は、自分で選んでキャッチしていきたい

「日々忙しく、毎日の優先順位がとても大切。なので、あらゆるお食事会やパーティーに顔を出す、ということはやめるようにしました。『今の自分に必要だな』『これって面白そうだな』と響くものには出向きますが、そうでないものやワクワクしないことやものには手を出さず、境界線を引きます。以前は自己投資になると思ってやってきましたが、そろそろ人生も残り半分。残りの人生は自分で選んでキャッチしていきたいです」

「自分で選んで」というのは、実はとても勇気が要ることです。自分で選ぶということは、責任も自分にあるということ。流されていれば感じないプレッシャーや不安を、受け入れなければいけませんし、自分の選択の良し悪しを決めるのは、その後の自分次第なのです。

そんな杏仁さんにも、「自分で選んでキャッチしていく」と決意した出来事がありました。

時間のロスを感じた自分がいた

「馴れ合いのお付き合いや交流会、パーティーに参加したとき、なにかを得るというより、時間のロスを感じた自分がいたから」

その場はすごく楽しくて、華やかな写真も手元に残って、きっと良い時間だった…でもふと冷静に考えて「時間とお金をかけただけの何かってあったっけ?」とハッと気づいてしまう瞬間、ありませんか? それは自分自身を「見直す」時期がやってきた、という証拠なのかもしれません。

「必要ではないものやワクワクしないものに手を出さないことで、心地良いものだけが自分に残りました。頭の中や交友関係がすっきりしてきた。『いまの自分に必要かどうか?』を考えることで、自分が今やることが明確になってくるし、『そろそろ自分の好きなことやものに囲まれて生きてもいいじゃん!』と思うようになってきました」

「服を10着しか持たないフランス人」の話にも通ずるのかもしれません。本当に心地よいものだけを残したら、好きなものに囲まれた幸せな空間に身を置ける。そして、毎日自分が一番好きな自分でいられる。杏仁さんにとっては、手放すことが、日々を丁寧に過ごすことにつながっているのかもしれませんね。

笑顔でいられるための「今」を選んで欲しい

最後に杏仁さんからアラフォーの皆さまにメッセージです。

「人生は陰と陽。『陰=いろんな経験・修行の時。いい土壌を作り、蓄える時期』が多ければ多いほど、『陽=活動が評価され、表舞台にたつ時。それまでの努力が表面化する時期』が増えます。
私は20代まで薬膳や漢方と無縁の仕事をしており、その道に入ってからも必死に漢方や薬膳の勉強をしていました。その『陰の時間』が今の自分を作っています。『陰の時間』が多かった分、いま取捨選択できる自分がいるのです。人生は一度きりですし、残り半分なんです、自分の人生! どこで何が起こるかなんて誰にもわからないので、自分の好きなことだけをして、笑顔でいられるための「今」を選んでほしいです」


■漢方・薬膳料理ガイド 杏仁美友さんのガイドプロフィールはこちら

■「私が40歳で辞めたこと」連載中!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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