以前の水まわりリフォームの色選びでは、温もりカラーが人気
かつての水まわりリフォームの現場でお馴染みの品番と言えば#SC1か#N11。これはTOTOの陶器のカラー番号で、パステルアイボリーとペールホワイトを示しています。パステルアイボリーは、今でもラインナップの中にあるロングセラーの色で、黄色味がかった温かみのある色合いが大人気となり、多くの人が便器や洗面ボウルでこの色を選びました。
ひと昔前、水まわりリフォームで陶器の人気色だったTOTOの#SC1、パステルアイボリーの便器。
それまでの便器や洗面ボウルは白ばかりでしたから、リフォームではカラフルな製品を選んでおしゃれにしたい、個性を出したいという人が多かったのです。
今はもうありませんが、エクセルワインレッドと呼ばれる濃いワイン色や、エクセルブルーと呼ばれる紺色の便器もありました。ちょっとおしゃれなお店や、凝ったインテリアの住宅などに使われたものです。
浴槽も、温かみがあるベージュやピンク、優しいグリーンなどが人気だった(TOTO)
浴槽はと言えば、ブルーのポリやステンレスの和風浴槽から、なめらかでぬくもりを感じさせるベージュカラーやパステルピンク、グリーンの和洋折衷浴槽へ。やはり今までには無い色づかいが人気でした。
白い便器や浴槽はつまらない、病院のようと不人気だった時代
代わりに人気が無かったのが白色でした。せっかくリフォームするのにまた白では詰まらない、味気ない、特に浴槽は病院のように感じてしまうと敬遠される傾向にありました。当時、メーカー側もたくさんの色を準備していて、便器の色だけで20色以上のラインナップがあったのです。しかし時代は変わり、カラフルな色はどんどん廃番に。現在、TOTOの衛生陶器は4色のラインナップで、#SC1パステルアイボリーは残っていますが、少しくすんだ白色の#N11ペールホワイトは廃番になりました。
現在のTOTOの衛生陶器の色のラインナップ。下の2色は受注生産品。便座はこれにあと2色加わる。
イマドキの水まわりリフォームの色選びでは、クリアな白が大人気
うって変って、今圧倒的に人気になっているのが、混じりけのないクリアな白、#NW1ホワイトです。以前は敬遠された白が、今の時代の水まわりの主流になっています。しかも圧倒的な人気で、ショウルームでも展示のほとんどがホワイトです。ショウルームでも展示のほとんどが、#NW1ホワイトの衛生陶器。洗面ボウルも白が主流の時代に。
白人気に拍車をかけた理由は、時代とともに清潔志向や健康志向が高まったこと、そしてインテリアトレンドの変化があります。
清潔感が求められる水まわりには、混じりけのないクリアな白が一番気持ちよく、清潔に感じられます。また便器で健康チェックをするなら、白が一番便利です。
インテリアもよりシンプルでモダンな方向へ進んだことで、便器や洗面ボウルの色選びに大きな影響を与えました。どんな空間にもクールに決まる白は、イマドキのインテリアを作りやすく、今や水まわりリフォームの定番カラーとなったのです。
#NW1ホワイトのサンプル陶器を、最近のフローリングの人気色の上に置いてみた。どんな空間にもクールに決まる。
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