株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

米国株急落!今後、いつが買いのチャンスとなるのか?

米国株が急落しています。では今後はどうなるのでしょうか? また、どのタイミングで買えば良いのでしょうか? 過去の事例も交えながら、予想をしてみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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三尊天井からの下落トレンドが鮮明となったニューヨークダウ

三尊天井からの下落トレンドが鮮明となるNYダウ

三尊天井からの下落トレンドが鮮明となるNYダウ


人民元切り下げの混乱を小幅高で踏ん張った米国株ですが、その後、株価は急落しています。米国株の主要株価指数の週間下落幅は5~6%台となり、4年ぶりの大きさとなりました。三尊天井?下落基調に入りつつあるニューヨークダウでも書きましたが、ニューヨークダウのチャートを見ると、平均平均線同士のデッドクロスも発生し、三尊天井からの下落トレンドが鮮明となっています。

下落の要因は複合的ではっきりしません。一応、8月の中国製横行景況感指数(PMI)が約6年半ぶりの低水準となったことが引き金となったと説明されることが多いですが、中国経済減速懸念以外にも、米国の利上げ接近、人民元切り下げとともに開始された新興国通貨安競争、中国株急落、中国景気に端を発する原油・商品価格暴落、さらには天津の爆発事故の深刻化にチプラス・ギリシャ首相の辞任、北朝鮮問題まで重なっていました。

要するに「何が原因」と特定できなくても、投資家にとっては、これら全部重なって起きる中でダウを見れば三尊天井からの下落が連想され、「ここは利上げの前に全部売ってしまえ」という市場心理が働いたとしてもおかしくはないでしょう。

おりしも米国企業の決算も減速しており、また市場予想を上回る好決算を出しても株価上昇しにくくなっていました。ふり返れば2013年、2014年と米国株は2年連続して最高値で相場を終えました。しかし、2015年は全く騰がらず、持ち合い・横ばいでうんざり続きといった様子です。このようなタイミングの中で不安定さが増し、「(数年の上昇で)たっぷり利の乗った株を売却するなら今だ」と思った投資家は、さぞ多かった事でしょう。

いつが最適の買いタイミングなのか?

現時点では上がるか下がるかは分かりません。しっかりと上昇転換のサインが出るのを待ってから買っても遅くはありません。

現時点では上がるか下がるかは分かりません。しっかりと上昇転換のサインが出るのを待ってから買っても遅くはありません。

それではこれからどうなるのか?、そしていつが最適の買いのタイミングとなるかですが、王道から言えば、底を狙ってむやみに買っても、どうなるかは分かりませんので、上昇トレンドのサインが出るまでじっくり待った方が良いということです。

たしかに2011年の夏の急落時などはうまく反発しましたので急落時の買いが成功しましたが、反発せず、底値で買った積もりでもさらに下げていくような展開となる可能性も、もちろんありえます。そうなってしまえば終わりですし、そうなるかどうかは誰にも分からないのです。

結局、一旦安値をつけてから反発し、そこからの反落にしっかり首を振って再度反発して、直近の高値を出来高を増して上に抜けるという、上昇転換のサインが出るのを確認してから買い出動するのが良いでしょう。ちなみに2011年の夏も、その上昇転換サインを確認してから買っても、ニューヨークダウは1万2300ドルから今回200日移動平均線を割れるまで、ずっと200日線にサポートされ、1万8,350ドルまで上昇し続けて行きました。

2011年のケースでは8月上旬に急落が起こり、10月下旬に一度目の反発が起こって11月下旬に反落。12月に再び上昇して高値を超え、上昇転換のサインとなりました。年間のアノマリーとして、9~10月に底をつけて11月から年末に向けて株価が上昇していくケースは多く、今年も同じようなパターンとなる可能性は頭にいれつつも、まずはじっくりとその上昇転換のサインが出るのを待つのが良いと考えます。

参考:米国株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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